米IBMとシラキュース大、消費電力を半減するデータセンター構築


 米IBMは5月29日(米国時間)、次世代データセンターの構築で、米シラキュース大学とニューヨーク州と複数年の契約を結んだと発表した。約1240万ドルを投じて、消費電力を通常の半分に抑えるデータセンターを立ち上げる。

 コンピュータハードウェア/ソフトウェアだけでなく、インフラ部分から消費電力削減を目指す。最新のデータセンターをシラキュース大学のキャンパスに設置。技術の確立を図る。面積は約6,000平方フィート(約560平方メートル)で、2009年内の完成を見込んでいる。

 最大の特徴は、オンサイトのトライジェネレーションシステム。天然ガスを利用するマイクロタービン発電エンジンを利用して、冷却を含むすべての電力を供給する。データセンターはオフグリッド対応で、公共電力の供給なしに運用できるという。

 マイクロタービンはDC電源を生成するため、AC-DCの変換が不要。冷却は水冷ベースのシステムを利用し、マイクロタービンが生成する余分な熱を冷却水に変換する冷却機を備える。

 IBMは、「IBM BladeCenter」「IBM Power 575」「IBM z10」などのサーバー、電熱併用機器など500万ドル以上の機器、設計サービスとサポートを、ニューヨーク州エネルギー調査開発局(NYSERDA)は200万ドルを提供する。

 シラキュース大学はこのデータセンターの電力と冷却技術を研究・分析し、電力利用のモニタリング/評価/計画/管理のモデルとシミュレーションツールの開発につなげる。



(Infostand)

2009/6/1 09:00