NEC、無人飛行機を使った空飛ぶ災害監視システム


 日本電気株式会社(以下、NEC)は6月5日、小型無人飛行機に小型カメラやセンサーを搭載し、災害地などの情報をリアルタイムに伝える災害監視システムを発表した。同日より販売開始する。

 同システムは、各種カメラやセンサー、ならびに通信装置を搭載した小型無人飛行機型の災害監視システム。映像と飛行データを同時伝送できる自社開発の伝送モジュールを搭載し、地上システムで災害地の様子をリアルタイムに受信・解析できる。定期巡回や経路点に沿った自動飛行、旋回飛行が可能なため、人が近づけない場所の状況が把握可能。

 小型無人飛行機は、翼長1.9m、約500gのカメラやセンサーを搭載。飛行時間は約20分で、航続距離にして10~30km相当という。飛行経路は設定によりあらかじめ登録可能で、離陸は安定性の高いランチャ式による自動発進構造を採用。逆に着陸はパラシュート方式で、操縦のスキルが不要で安全に運用できるとしている。搭載カメラは、可視カメラのほか、熱源撮影用の遠赤外線カメラも搭載する。

 地上システムは、送受信用アンテナ、通信装置、画像表示用装置、機体操作・状況表示用装置で構成。地図情報と連携させた飛行経路設定や目標設定、ネットワークなどを使った画像・データ配信などの追加機能も用意されている。

 価格は最小構成で2000万円(税別)から。官公庁や地方公共団体、企業、研究機関などに向け、今後5年間で60システム以上の販売を見込む。


(川島 弘之)

2009/6/5 17:55