米Microsoft、欧州では「Windows 7」で「IE」バンドルせず


 米Microsoftは6月11日(米国時間)、欧州地区では年内リリース予定の次期OS「Windows 7」に「Internet Explorer(IE)」をバンドルしないバージョンを提供する計画を発表した。欧州委員会(EC)の競争法(独禁法)違反訴訟に配慮した結果としている。これを受け、欧州委員会は6月12日に声明を発表、訴訟を早期に終わらせる意向を表明した。

 IEの非バンドル版は、法務副顧問兼副社長のDave Heiner氏が公式ブログで明らかにした。ECは、ノルウェーのOpera Softwareの申し立てを受け、MicrosoftによるOSへのIEバンドルについて調査中。2009年1月に、ECは訴訟の最初のステップとなる異議告知書(Statement of Objections)をMicrosoftに送っている。

 Microsoftの決定は、訴訟に配慮しながら、Windows 7を世界同時にローンチするための対策となる。米国と同様、欧州でも、32ビット/64ビットのWindows 7の全バージョンを提供するが、IEはバンドルしないとしている。この欧州市場向け仕様のWindows 7は、製品名の最後に「E」が付き、機能的にはIEバンドル以外は同じ。Heiner氏によると、メーカーは自社が決めたWebブラウザをインストールして出荷できるという。

 欧州委員会は、独禁法訴訟を早期に終わらせる意向を表明しながら、欧州向けにはIEをバンドルしないというMicrosoftの対策については、小売店レベルでは「多くの選択肢を提供するのではなく、選択肢を減らすことを選択した」と暗に批判している。メーカーレベルでは、「前向きなものである可能性がある」とし、「本当の意味で消費者に選択肢を提供するのに十分かを検討する」としている。だが、検討する際に「Microsoftの長年の慣行を考慮する」と述べるなど、厳しい文面となっている。



(Infostand)

2009/6/15 08:32