NECソフト、HPC環境をASP方式で提供する「HPC OnLine」


 NECソフト株式会社は6月17日、科学技術計算ASPサービス「HPC OnLine」を発表した。同日から提供開始する。

 HPC OnLineは、HPC環境をASP/SaaS形式で提供するサービス。CAE(衝突解析・流体解析・強度/振動解析など)、ナノサイエンス(分子軌道解析など)をはじめとするさまざまな分野の各アプリケーションに対応。計算業務に必要なハードウェア、ソフトウェアを自社で保有する必要がないため、導入コストを抑えられるばかりでなく、システムの設計・構築・チューニングに費やす工数を省くことができる。「例えば、128CPUの場合、年間のTCOを約3割減らせる」(NECソフト)という。

 CPU数、アプリケーションライセンス数などは、ユーザーの要望に応じた規模からスタートすることが可能。業務量の変化に応じて、必要な量の資源を必要な時に利用できるため、コストを抑えながらリーズナブルに計算資源を確保できる。

 国立大学など国有のHPC資源を計算サーバーとして活用するほか、民間企業などが各事業所で所有するHPC資源も集約。産学官の連携スタイルを採用することで、社会全体の消費電力を抑え、CO2削減にも貢献するという。

 機能例としては、基本サービスに「仮想インフラ」「ジョブ管理」「ファイル転送」「技術サポート」、オプションサービスに「アプリケーション提供」「トレーニング」「コンサルティング」などを含む。

 技術サポートは、専門スタッフによる充実の体制を整え、HPCの経験やノウハウを持たないユーザーでも、導入から運用までをしっかりとサポート。最適なアプリケーションの導入・運用方法の提案や、高速化のためのチューニングなど、快適な環境構築を支援するという。

 セキュリティとしては、ユーザーとサービスポータル間をSSLで暗号化するほか、計算サーバーのデータは計算後に自動削除することで、機密保持が絶対条件となる新製品の研究開発業務にも安心して利用できる仕組みを整えている。

 価格は、基本サービスの利用料が160万円(税別)/年から。NECソフトでは今後3年間に50社、約4億円の売り上げを見込む。


(川島 弘之)

2009/6/17 11:27