ネットアップ、異機種混在のストレージ環境を可視化できる管理ツール

FC-SANビジネス拡大に向けた戦略製品に

 ネットアップ株式会社は7月30日、ストレージ環境の可視化によってデータ管理の効率的な運用を支援する管理ツールの新製品「SANscreen 5.1」を同日より提供開始すると発表した。

 SANscreen 5.1は、サーバーごとにソフトウェアをインストールする必要がないエージェントレス方式を採用し、SANおよびNAS接続された異機種混在のストレージシステムを可視化する環境をわずか数時間で導入できるストレージ管理ソリューション。ストレージ環境を構成するサーバー、ストレージおよびスイッチやルータなどの状態をリアルタイムに可視化することで、効率的で安全なデータの運用管理が可能となる。

マーケティング部 部長の阿部恵史氏
SAN市場に向けたソリューション戦略

 2008年1月に買収したOnaro社の製品であり、すで米国市場ではFortune 50の企業の35%に導入実績があるという。日本市場でのリリースは今回が初めてとなる。マーケティング部 部長の阿部恵史氏は、「当社では、今年度の重点施策の一つとして、FC-SAN市場でのビジネス拡大を推進しているが、新製品はこの取り組みを本格展開する戦略商材と位置づけている。複雑な異機種混在のFC-SAN環境を可視化できる管理ツールの投入によって、FC-SAN環境においても当社ストレージソリューションのメリットを提供し、ビジネス要件の変化に即応できるストレージ環境をコストとリスクを最小化しながら実現していく」とし、これを機に既存のNASユーザーを主なターゲットとして国内のFC-SAN市場開拓に注力する考えを示した。

 SANscreen 5.1を活用することにより、ストレージの容量や利用率を始め、アプリケーション単位でのシステム構成、さらには動的に変化する仮想化環境の構成までグラフや一覧表示などで一元的に把握でき、レポートも自動作成することができる。また、アプリケーションやビジネスユニット単位でのストレージ利用に関するポリシー違反やバックアップ環境の脆弱性の警告、アクセス頻度やCPUの利用率の表示など、ストレージ運用管理者に必要なリアルタイムな状況把握が可能となる。さらに、他社製ストレージや各社サーバー製品など異機種混在環境をサポートしているため、データセンター全体にわたる一元的な監視を行うことができる。

 製品構成は、可視化に必要なデータ収集やエラー検出を行う「SANscreen Service Insight」を基本モジュールとして、機能別に分かれた4つのモジュールをラインアップ。「SANscreen Capacity Manager」では、異機種混在環境における複数のストレージの利用率や使用状況を一元的に可視化する機能を提供。「SANscreen Service Assurace」は、企業の定めたデータ管理運用ポリシーやSLAに沿ってシステムが構成され、使用されているかを監視する。「SANscreen Application Insight」は、Service Insightで収集された構成情報をもとに、アプリケーションごとのシステム構成状況を可視化する。「SANscreen VM Insight」は、VMwareの仮想化管理ツール「VMware vCenter」にプラグインするモジュールで、VMwareが導入された仮想化環境において、バーチャルマシン単位でのストレージのシステム構成や使用状況を可視化する。

 これらのモジュールによりユーザーは、ストレージ環境のシステム構成や、ユーザーが必要とする監視対象にあわせて必要な機能を必要なだけ組み合わせて使用することで、監視コストの最適化を図ることができる。


SANscreenの概要SANscreenによる可視化SANscreenシステム環境概要

 税別参考価格は、「SANscreen Service Insight」が275万2000円、「SANscreen Capacity Manager」が205万2000円、「SANscreen Service Assurace」が287万3000円、「SANscreen Application Insight」が263万円、「SANscreen VM Insight」が205万2000円。



(唐沢 正和)

2009/7/30 15:51