日本HP、ワークステーション「Z800/Z400」に水冷システム搭載モデルを追加
HP Z800 Workstation(ディスプレイは別売) |
HP Z400 Workstation(ディスプレイは別売) |
日本ヒューレット・パッカード株式会社(日本HP)は8月4日、デスクトップ型ワークステーション「HP Z Workstation」のラインアップに、静音性に優れた水冷システム搭載モデルを追加し、8月下旬から販売開始すると発表した。出荷開始は9月上旬以降となる予定。
「HP Z Workstationシリーズ」は、機能美を追求したHP独自設計の筐体デザインを採用するインテル Xeonプロセッサ搭載ワークステーション。今回水冷システムを搭載するのは、デュアルプロセッサ対応の最上位モデル「HP Z800 Workstation(以下、Z800)」と、シングルプロセッサ対応のエントリーモデル「HP Z400 Workstation(以下、Z400)」。同社のインテル製プロセッサ搭載ワークステーションで、水冷システムを採用したモデルは今回が初となる。また、水冷システム搭載モデルの発表にあわせて、「Z800」と「Z400」の両モデルに搭載可能な最上位プロセッサとして、「Z800」にはXeon W5590(3.33GHz)、「Z400」にはXeon W3580(3.33GHz)を追加している。
新たに搭載する水冷ユニットは、ハイエンドゲームPC「HP Blackbird」にも採用実績のある信頼性の高い製品。「Z800」向けの2CPU用と「Z400」向けの1CPU用の2種を用意しており、それぞれ購入時のオプションとしてプラス5000円で水冷ユニットを選択できる。5年間メンテナンスフリーで、冷却液の補充などを行う必要なく利用できる。動作保証温度は、動作時5~35℃、非動作時-40℃~70℃と広く、寒冷地でも安心して使用することが可能となっている。
ファンの回転数を最小にすることで、従来の空冷システムに比べて大幅な静音化を実現。同一モデルの比較において、水冷システムは、デュアルプロセッサ構成の「Z800」(Xeon W5580 3.20GHz×2搭載)で約-3db、シングルプロセッサ構成の「Z400」(Xeon W3570 3.20GHz搭載)で約-1dbの静音化を図っている。
また、システムのパフォーマンスを向上する優れた冷却性能を備えており、「Z800」(Xeon W5580 3.20GHz×2搭載)での比較において、プロセッサの最高到達温度は空冷システムよりも約3℃低く、ピーク温度から50℃に下がるまでの時間も3~5秒と空冷システムの冷却性能を大幅に上回っている。さらに、高負荷時の冷却効率が高いため、定格周波数以上でプロセッサを動作させるインテル ターボ・ブースト・テクノロジーの稼働効率を向上させることができ、インテルXeonプロセッサがもつポテンシャルを最大限に引き出すことが可能となる。
同社では、水冷システムの選択にあたり、静音効果を求める場合、CPUの消費電力が大きいほど、その効果が期待できることから、TDP130W以上のCPU、SATA HDDの搭載、メモリ容量が96GB未満、グラフィックカードがエントリーからハイエンド3D、といった構成を推奨としている。一方、CPUに高い負荷をかける処理を実施したい場合は、他コンポーネントの空冷ファンも含めて冷却性能を優先する構成にすることで、インテル ターボ・ブースト・テクノロジーを有効にし、CPU性能を最大限に活用できるとしている。
価格は、「HP Z800」のXeon W5590(2基)搭載モデルが68万6700円から、「HP Z400」のXeon W3520搭載モデルが17万1150円から、「HP Z400」のXeon W3580搭載モデルが29万7150円から。
【17:22 更新】
2009/8/4 13:17