東芝ITS、仮想サーバーのリモート監視・運用サービス

全国105拠点のオンサイト保守と連携

取締役社長の石橋英次氏

 東芝ITサービス株式会社(以下、東芝ITS)は8月25日、仮想サーバーのリモート監視・運用サービス「仮想化トータルサポート」を発表した。10月より提供開始する。

 仮想化トータルサポートは、仮想化サーバーをリモートで監視・運用し、障害発生時には遠隔サポートとオンサイト保守を組み合わせて提供するサービス。同社の集中監視センターである「リモート運用センタ」、一括障害受付窓口「ITサポートセンタ」、全国105拠点にてオンサイト保守を提供する「サービスネットワーク」の機能を組み合わせ、24時間365日の運用保守を行う。

 具体的には、リモート監視による仮想化サーバーの各種稼動監視、異常の検出、障害の早期発見から、リモート運用センタとITサポートセンタの情報連携、ITサポートセンタでの障害切り分け、サービスネットワークエンジニアへの出動指示などを行い、オンサイト保守とリモート保守の組み合わせによる障害復旧までを支援する。

 サービスの流れとしては、常時リソースの監視を行い、アラートを検知した際に、リモート運用センタからリモート操作を行って、アラート状態の回避を図る。そこでオンサイト対応が必要と判断された場合に、全国のサービスセンタへ指示を出してエンジニアの出動となる。

サービスメニュー一覧サービスの流れ監視にはハードウェアベンダーや仮想化ソフトベンダーの標準ツールを利用。これにより、低コストを実現

 取締役社長の石橋英次氏は、サービスの狙いを次のように説明する。「仮想化技術は大きなメリットを生み出す一方、管理や障害切り分けの複雑化が課題として浮上。新たに技術習得が必要になる場合も多く、これまでの運用管理では適切な運用が難しくなっている。そこで仮想化システムのサポートサービスを提供するわけだが、ここで必要な機能となるのが、24時間365日対応であること、継続的なリソース監視と最適化ができること、障害に対して早期発見・早期対応できることなどが挙げられる。そうしたもろもろに対応させたのが、仮想化トータルサポートだ」。

 東芝ITSでは、同サービス発表以前より、市場調査・メニュー開発・検証を担う専任推進組織を設立するなど、仮想化への取り組みを推進してきた。ほかにも、リモート運用センタ、ITサポートセンタ、サービスネットワークのシームレス化といった実行体制の整備、カスタマーエンジニアへの仮想化技術研修、教育プログラムの開発(2011年までに250名へ育成拡大予定)、VMwareパートナー契約のレベルアップなどを行い、満を持してきた。

 今後は、新サービスの中で、2010年3月までに仮想化環境の調査・設計・構築・導入に関するラインアップ拡充を図るほか、2010年度中をめどに、クライアント仮想化対応、SAN/NAS仮想化対応、ネットワーク仮想化対応、2011年度をめどに、性能診断サポート、仮想化セキュリティ運用サポート、クラウド対応などを図る予定。これにより、2011年度には、仮想化にかかわる事業全体で30億円のビジネス規模を見込んでいる。

東芝ITSの仮想化への取り組み実行体制の概要今後の拡充予定



(川島 弘之)

2009/8/25 09:00