NTTコムウェア、プロジェクタ投影地図上に災害情報を手書きするシステム


プロジェクタで地図を投影
デジタルペンで災害情報を手書きできる

 エヌ・ティ・ティ・コムウェア株式会社(以下、NTTコムウェア)は8月27日、災害情報をプロジェクタで投影した地図上に手軽に書き込める「タンジブル災害情報管理システム(デジタルペン版)」を発表した。

 タンジブル(Tangible)とは「触れて知覚しうる」などの意味で、PCと利用者とのインタラクティブな関係を作る次世代UI技術「Tangible User Interface」などで利用されている。NTTコムウェアでは、同技術を活用した「タンジブル防災ソリューション」を自治体を中心に提案してきた。

 自治体では、災害時の迅速な状況把握や情報共有を実現すべく、GIS(地理情報システム)を用いて、被災情報を集約・共有するシステムの導入を進めている。一方で、災害時の混乱した状況下においては、PCを用いた作業が困難な場合も多く、従来通りの紙地図上で作業するような簡易なシステムが望まれていたという。

 そこで今回のデジタルペン版では、災害時の対策本部向けに機能拡充し、より“手書き”の感覚に近づけた。

 具体的には、机上の専用紙にプロジェクタで投影した地図に、デジタルペンで、直接書き込むように情報を入力可能とした。「災害種別」「交通規制」「現地拠点」「各部隊の位置」などのアイコンを、スタンプ感覚で任意の場所に入力したり、被災範囲を囲む「不通道路」「輸送可能路」などを線で引いたりすることが可能。専用付箋(ふせん)紙を用いて、手書きメモを画像として張りつけたり、ネットワーク環境を整備すれば、遠隔地での書き込みを投射地図へ反映したりすることも可能という。

 書き込まれた情報は、時系列・災害種別ごとにデータとして管理されるため、あとで対応履歴を確認して次の災害対策に生かせる。また「引いた線の距離や面積」「ペンを置いた場所の住所や経緯」の確認や、監視カメラや観測拠点などを地図上に表示させ、リアルタイムの映像や観測情報を得ることで、より迅速に状況把握するといったこともサポートする。

 今後、地方自治体に向けて、順次提案を行っていく方針。


(川島 弘之)

2009/8/28 17:00