Mac版を同梱した「ウイルスバスター2010」、Windows 7にも対応

Webからの脅威を守る「評価基盤」も実装

マーケティング本部 コンシューママーケティンググループ部長の吉田健史
ウイルスバスター2010

 トレンドマイクロ株式会社は9月2日、「ウイルスバスター2010」を発表した。9月2日より同社オンラインショップやダウンロード販売店で、4日より店頭で販売開始する。想定価格は前版から据え置きで、パッケージ1年版が5980円、同3年版が1万2800円。ダウンロード1年版が4980円、同3年版が1万1800円など。

 ウイルスバスター2010では、Mac OSに対応したセキュリティソフト「ウイルスバスター for Mac」を同梱し、1本購入するだけで、WindowsかMacを問わず、最大3台のPCまでインストール可能な新ライセンス体系を導入した。この意図について、マーケティング本部 コンシューママーケティンググループ部長の吉田健史氏はこう語る。

 「2008年1月にMac向けの偽セキュリティソフト『MacSweeper』が登場し、2009年1月にはウイルスが混入された海賊版iWork'09が出回った。OSの種類に依存しないフィッシング詐欺なども横行するようになり、“Mac=安全”という図式はもはや成り立たなくなっている」。

 「一方で、店頭販売におけるMac版セキュリティパッケージの比率はほんのわずか。この理由は、Mac版の製品価格が高いからで、Windows版の約1.8倍が相場となっている。ウイルスバスター2010では、新ライセンス体系により従来価格のままでMacも守れる。店頭でMac版製品を購入できるため、対象ユーザーが広がるし、Windows版とMac版両方の在庫を抱える必要がなくなるので、販売店にもメリットがある」。

 なおメディアは1枚で、挿入したPCのOSによってWindows/Macそれぞれのインストーラが起動する仕組みとなっている。

 技術面では、「安心」「軽快」をさらに追求。安心面では、増え続けるWebからの脅威に迅速に対応する「Trend Micro Smart Protection Network(SPN)」の関連技術を導入した。

 SPNは、企業向けに先行して提供されている、Web/メール/ファイルの3つのレピュテーション技術が協調するセキュリティ基盤。評価データベースが統合されており、それぞれの脅威情報を3つの技術で共有できるのが特徴。ウイルスバスター2010でも、共有された情報を基に、Webレピュテーションが行われるようになった。

 また、PCに侵入しようとした不正プログラムらしきファイルが「いつ、どこで、どのような挙動をしようとしたか」などの情報を、トレンドマイクロのデータベースに送信する「スマートフィードバック」機能も搭載。送信された内容はトレンドマイクロが分析し、その結果をWebレピュテーション情報に迅速に反映して、世界中のユーザーに再提供する。これにより、フィッシング詐欺サイトへの接続を遮断することが可能だ。

 加えて、Webブラウザ上で入力したキー入力情報を暗号化するツール「GuardedID Standard」を、9月中に追加する予定。Windowsの「スタートボタン」「すべてのプログラム」「ウイルスバスター2010」からアクセスできる「トレンドマイクロ無料ツールセンター」を通じて提供する。従来のパスワード暗号化に加え、新たにIDや住所・氏名などの入力フィールドも暗号化できるため、個人情報をより強固に守れるという。

 軽快さでは、起動時間を約3割、クイック検索時間を約2割改善。加えて「全画面サイレントモード」機能を拡張し、PCがアイドル状態の時にのみパターンファイルのアップデートや予約検索を行う「アイドルタイムスキャン」を実装した。また、PCを最適な状態に保つ「システムチューナー」機能では、毎月1回の予約チューニングに加え、ソフトウェアの履歴やメッセンジャーの履歴をクリーニングする機能を新搭載した。

 Windows 7にも対応済み。32/64ビット版ともにネイティブ動作を実現しているとのこと。

 トレンドマイクロではウイルスバスター2009において、ユーザーの声をきちんととらえた「製品力」、CMを中心とした「告知力」、量販店・PCメーカー・ISPとの協力体制による「店頭販売力」の3つを重点に、プロモーションを展開。「その結果、2009年8月の時点で50%のマーケットシェア(金額ベース)を獲得した」(吉田氏)という。ウイルスバスター2010でも「基本方針に変更はないが、着実に次のステージへのステップアップを果たすことで、ウイルスバスターといえばこういった製品性質と誰もが即座に思い浮かべられるよう、“Be Absolute No.1”を目指す」としている。

トップ画面各機能の設定状況ウイルス・スパイウェア監視のトップ画面

カスタム検索画面検索結果画面セキュリティレポート画面

WebメールのURL評価メッセンジャーのURL評価

Mac版のトップ画面URLフィルタリング設定画面カスタム検索設定画面





(川島 弘之)

2009/9/2 14:48