マイクロソフトとNEC、Hyper-V普及で協業強化-年内に対応技術者150名以上に


NEC サーバ・ワークステーション事業本部 事業本部長の庄司信一氏
マイクロソフト サーバープラットフォームビジネス本部 業務執行役員 本部長の五十嵐光喜氏

 マイクロソフト株式会社と日本電気株式会社(以下、NEC)は9月8日、Windows Server 2008 R2をベースとした仮想化環境の提供で協業すると発表した。7月に発表したソリューション事業での協業強化の一環として行われるもの。今回の協業により、NECのIAサーバー「Express5800シリーズ」、統合運用管理ソフトウェア「WebSAM」、仮想PC型シンクライアントシステム「VirtualPCCenter」と、Windows Server 2008 R2を組み合わせたソリューションを提供する。

 Express5800シリーズでは、10月よりWindows Server 2008 R2対応製品を投入する。NEC サーバ・ワークステーション事業本部 事業本部長の庄司信一氏は、「Express5800シリーズには、データセンターなどに対応するDataCenterLineと、オフィスなど現場設置向けのDataStationLineの製品ラインを用意しているが、すべての製品でWindows Server 2008 R2に対応する。まずは、ラックサーバーから対応し、順次製品ラインアップを強化する」と説明。マイクロソフト サーバープラットフォームビジネス本部 業務執行役員 本部長の五十嵐光喜氏は、「すべてのサーバー製品で、仮想化に対応するという点がポイントだ」と、全製品で、Windows Server 2008 R2およびHyper-Vに対応するメリットを強調した。

 また、VMwareにのみ対応していたVirtualPCCenterが、Windows Server 2008 R2に標準搭載されているHyper-V 2.0に新たに対応。これにより、サーバーから端末、仮想PCまでNECとマイクロソフト両社で一貫したサポートが可能になるとしている。出荷は12月末の予定。

 統合運用管理ソフトウェアのWebSAMでも、Hyper-V 2.0に対応。これにより、仮想環境と物理環境が混在するシステムの一元管理、障害時の自動対応、負荷平準化といった自律運用が可能になるとしている。提供は12月末の予定。


Express5800シリーズ全製品でWindows Server 2008 R2に対応VirtualPCCenterはHyper-V 2.0に新たに対応WebSAMでもHyper-V 2.0対応

 NECでは、Hyper-Vへの対応を強化するため、Hyper-V MCTS(マイクロソフト認定技術者制度)取得者を拡大する予定。庄司氏は、「現在、100名がMCTSを取得しているが、年内には合計150名以上にまで拡大していく。また、販売店に対して、Express5800プラットフォーム仮想化技術認定制度を開始し、今後1年間で300名の資格取得者を目標に推進する」と、積極的に技術者育成を行う考えを示した。





(福浦 一広)

2009/9/8 16:13