九州大学、IBMとGoogleのクラウドイニシアティブに日本で初参加


 九州大学大学院システム情報科学研究院は9月9日、米IBMと米Googleが推進する「IBM/Google Cloud Computing University Initiative(以下、CCUI)」への参加承認を受けたと発表した。

 CCUIは、クラウド環境を活用し、世界各国の大学に最新技術習得のための学習環境を提供する制度。GoogleのシステムとIBM BladeCenter/System xサーバーを組み合わせた数百台の大規模クラスタコンピュータを割り当て、世界の大学に最新の学習環境を提供している。

 同研究院では、文科省と経団連の支援の下、「社会情報システム工学コース」を開設し、情報技術分野におけるリーダー育成に努めている。この一環として、先進的な知的成果を生み出す目的で、学内へのクラウド適用をいち早く実践してきた。今回、このような取り組みが評価され、審査を通過。ワシントン大学やカーネギーメロン大学、マサチューセッツ工科大学など著名な大学と肩を並べ、日本の大学として初めて同イニシアティブに参加することとなった。

 これにより同研究院では、大規模クラスタコンピュータにアクセスが可能となり、先進的な技術・プロジェクト検証時に容易にITリソースを入手できるようになる。具体的には、3次元地図やサテライト・ナビゲーション・システムに関する研究、Hadoopプログラミング環境を使った大規模分散処理ソフトの開発、EDA(Electronic Design Automation)シミュレーションなどの研究を進める方針。加えて、大学構内にあるプライベートクラウド環境とパブリッククラウド環境の連携の可能性についても研究・検証を行っていく。

 また、次世代の新しい人材育成に努めているQITOコースにおいても、この環境を利用し、新しいPBL(Project Based Learning)教育などを進める予定とのこと。


(川島 弘之)

2009/9/9 16:56