日本HP、プロジェクト管理ソフトの新版-IT財務情報の管理が可能に


HPソフトウェア・ソリューションズ統括本部 ビジネス・テクノロジー・ソリューション事業本部 マーケティング部の長谷修氏

 日本ヒューレット・パッカード株式会社(以下、日本HP)は9月14日、ITの戦略立案からプロジェクト(PJ)管理までをサポートするPJ・ポートフォリオ管理ソフトの新版「HP Project and Portfolio Management 8.0(以下、HP PPM 8.0)」を発表した。10月1日から販売開始する。

 HP PPMは、PJの統合的な管理や投資の判断などをサポートする製品。ダッシュボードをはじめ、「PJ管理」「ポートフォリオ管理」「プログラム管理」「財務管理」「タイム管理」「リソース管理」「要求管理」といった主要コンポーネントにより、PJの戦略立案から承認、進ちょく、投資の継続可否などを管理してくれる。新版では、これまで統合的に見るのが困難だったという「IT財務」に関するデータを可視化するようになった。

 HPソフトウェア・ソリューションズ統括本部 ビジネス・テクノロジー・ソリューション事業本部 マーケティング部の長谷修氏は、「景気が上向きに反転すると、企業の競争は激しいものとなる。不景気は『危機であり、機会でもある』『勝者と敗者を鮮明にする』と言われる通り、不景気を抜けたあとで、業界のリーダー企業はごっそりと入れ替わる傾向にある。そういうときこそ、『戦略的IT投資』が重要となるのだが、削減され、限られたIT予算で、戦略投資を行うには、IT予算の多くを食いつぶしている保守運用コストを可視化し、効率的な保守運用へと見直しをかける必要がある。しかし現状では、ITの企画・開発・運用・財務などの各部門で、IT費用に関連するデータがバラバラに管理されており、『IT財務管理』ができていないのが現状」と語る。

PJのライフサイクルを支援。ビジネス要求のうち、PJを組んで取り組むべきものに関して、「提案」「進ちょく管理」「財務管理」などを実現し、ビジネス価値として還元するモジュール構成

 そこでHP PPM 8.0では、IT資産管理や構成管理を行うほかの運用管理製品などと連携。それぞれのデータを一元的に収集・統合し、予算執行状況を把握することが可能になっている。

 具体的には、新たに「IT財務サマリ画面」を実装。人件費(資産管理ツールと連携することで非人件費も)の予実管理を行うもので、グラフに月ごとの予算・実績に加えて、残り予算、今後の支出見込み、このペースだとどこで予算を使い切るかを示したデッドラインが表示される。

 さらに費用対効果を図るための表も提示され、コストの予実管理と効果の予実管理を示した2枚のスプレッドシートが1画面に表示される。効果は「利益率10%向上」などのあらかじめ設定されたビジネス目標をスコアリングして算出される。

財務サマリ画面費用対効果画面PJ管理のワークフロー管理が可能

PJにおける作業進ちょくを確認。緑・黄・赤の3色でコスト状況を警告してくれるガントチャート画面。予定よりも遅れている作業を赤枠で警告してくれる遅れている作業の詳細をドリルダウン。間に合わせるために投入可能なリソースを提示してくれる

 このほか、9カ国語に対応していたHP PPM 7.5から、日本語を含む13カ国語に拡張。GUI上のログイン画面で選択した言語(セッション言語)での入力もサポートしたため、グローバルプロジェクトにおいて、各ユーザーそれぞれの母国語で表示された画面を利用することが可能となっている。

 また、連携製品として新たにITILサービス管理製品「HP Service Manager software」をサポート。IT資産管理ソフト「HP Asset Manager software」、変更管理製品「HP Change and Control Manager software」、アプリケーションの品質管理製品「HP Quality Center software」などとの連携も強化されている。

 価格は、710万4720円。




(川島 弘之)

2009/9/14 11:00