アイシロン、仮想化環境への導入を推進するクラスタNASの特別パッケージ


取締役 営業本部長兼マーケティング本部長、関根悟氏

 アイシロン・システムズ株式会社(以下、アイシロン)は9月17日、仮想化環境向けの特別パッケージ「Isilon IQ Virtualization Pack」を提供すると発表した。同社のNAS製品3ノードと、InfiniBandスイッチ、ケーブル、NASのオプションソフトウェアなどをあわせて、特別価格で提供するという。

 アイシロンが仮想化環境に向けて特別なパッケージを用意する背景には、「サーバー仮想化ソフトウェアと当社のスケールアウト型NASをあわせて利用すれば、ユーザーにとって大きなメリットを提供できる」(取締役 営業本部長兼マーケティング本部長、関根悟氏)との思いがあるという。

 VMwareによるサーバー仮想化が普及しつつある現在でも、ストレージはSANやDASを使うアプローチが非常に多い。しかし関根氏は、「サーバー仮想化でSANを利用する場合、LUNやボリュームの管理が非常に煩雑になるほか、利用効率やパフォーマンスなどを常に管理者が監視し、手動で調整しなくてはならないため、サーバーを統合しても、ストレージに関しては管理面での負荷はなくならない」点を指摘。さらに、「SANはスケールアップ型のアプローチであることから、処理性能が足りなくなった場合はヘッドの入れ替えが発生し、すべての業務が停止してしまう」と問題点を挙げる。

 しかしアイシロンのスケールアウト型NASでは、ノードを追加すれば処理能力とストレージ容量をリニアに拡張していける容易な拡張性と、シングルボリュームによる容易な管理性を提供可能。また、関根氏は「各ノードへ自動的にデータを分散する仕組み上、高い利用効率と可用性を提供できる。これもSANにはないメリットだ」と述べ、優位性を強調した。

 今回、アイシロンが提供するソリューションでは、スケールアウト型NAS「Isilon IQ1920x」または「同 IQ6000x」を3ノードと、InfiniBandスイッチ、ケーブルの各ハードウェアをパッケージ化。さらに、スナップショットソフト「SnapshotIQ」、クライアント接続の負荷分散とフェイルオーバーをサポートする「SmartConnect」、柔軟性なクォータ管理とプロビジョニングの機能を備える「SmartQuotas」の各ソフトウェアも付属しており、仮想化環境の最適化を実現できるという。

 「すでに米国では、VMwareと当社のNAS製品を利用した事例がさまざま出てきており、お客さまからの良いフィードバックもいただいているのが現状だ。VMwareや、そのインフラとして使われることの多いブレードサーバーもスケールアウト型の技術で、同じスケールアウト型NASである当社の製品との親和性は非常に高い。しかし、まず導入しやすい形で提供できないと、市場に訴求できないため、特別なパッケージを用意した。これによって仮想化にかかるコストを削減し、さらなるサーバー仮想化を進めていただきたい」(関根氏)。




(石井 一志)

2009/9/17 11:00