SAP ERPとバンキングサービスの直接接続、SAPとNTTデータが実現へ


 SAPジャパン株式会社(以下、SAP)と株式会社NTTデータは9月17日、統合基幹業務ソフト「SAP ERP」とNTTデータのバンキングネットワークサービス「ANSER」の相互接続を行うことで合意した。2009年内に導入サービスを提供する。

 相互接続により、ユーザー企業は自社内のSAP ERPと、ANSERに接続された全国の金融機関との間で、直接かつ高速の専用回線を使用した銀行取引データの連携が実現され、複数の銀行から同時にリアルタイムでバンキングサービスを受けることが可能となる。

 従来は企業が個別開発したケースを除き、企業内で活用されるバンキングサービスと会計システムは直接接続されていなかった。このため手作業による事務処理が多く存在し、取引件数の多い大企業では特に、事務の非効率性や運用ミスの解消、不正の防止などが課題となっていた。

 今回の連携では、SAP ERPとANSERとのインターフェイス部を、SAPのビジネスプロセス統合管理ツール「NetWeaver Process Integration」で構築。入出金明細の取得や、口座の残高照会などを活用する基本的な業務ワークフローを含めてテンプレートとして用意する。これを活用することで、SAPパートナーが短期間でシステム導入可能になるという。

 この連携システムにより、SAP ERPシステムへ直接、複数の銀行に対する、日々の口座の残高、入出金明細、振り込み・振り替えの結果などの情報を自動で取り込めるようになる。会計帳簿との残高の突き合わせや売掛金・買掛金などの消し込み処理の自動化を実現し、会計処理の効率化やミス、不正の防止が可能となる。

 両社は、年内に開発・検証を完了する予定。SAPは専任コンサルティングチームを編成し、NTTデータとともに、SAPのユーザー企業やパートナーへ導入支援サービスとして順次展開していく。


(川島 弘之)

2009/9/18 14:15