米Intel、IDFで「Nehalem-EX」を使用したサーバーをデモ


4ソケットのNehalem-EXサーバー

 米Intelは、9月21日(米国時間)から米サンフランシスコで開催されているの開発者向けセミナー「IDF(Intel Developer Forum)」の基調講演において、Nehalem(開発コード名)アーキテクチャで8コア/16スレッドをサポートしたサーバー用CPUのデモを行った。

 この「Nehalem-EX(開発コード名)」は、今年発表されたXeon 5500番台のように2ソケット向けではなく、4ソケット以上に対応したMP(Multi Processor)だ。基調講演では、4ソケットのサーバーを用いてデモが行われた。4ソケットで32コア(HTを利用すれば64スレッド)のサーバーとなる。メモリに関しては、1ソケットあたり16枚のDIMMを挿すことができ、4ソケットでは合計64枚のDIMMを搭載可能。16GBモジュールを利用すれば、4ソケット合計で、1TBのメインメモリを搭載できることになる。

 Nehalem-EXでは、CPUコアやメモリ、IOに異常が起こったときに、異常な部分だけを切り離し、動作を続けることができるRAS機能を持っている。これにより、大規模なシステムでトラブルが起きても、動作を続けることができる。特に、ミッションクリティカルな分野においては、こういった機能が重視される。

Nehalem-EXでは、8ソケットのサーバーも構成できるNehalem-EXのアーキテクチャ。4ソケットで1TB以上のメモリ空間を持つことになる
Nehalem-EXのデモでは、VMwareのESX-iのベータ版(4.1.0 Betabuild000023)が動作していた。Nehalem-EXサーバーがリリースされる年末から2010年初めにESX-iもリリースされるNehalem-EXのRASのデモ。右側がRASをOFF、左側はRASをONにした状態。同じようなCPUエラーを起こしても、RASがONになっていれば、OSはブルースクリーンにならずに、故障部分だけを切り離して動作し続けることができる

 また、Nehalem-EXと次世代のItaniumプロセッサ「Tukwila(開発コード名)」では、ソケット互換になっている。このため、サーバーメーカーは、同じプラットフォームでItaniumとNehalem-EXのサーバーを出荷することができる(メモリも共有化されている。両CPUともDDR3をサポートしている)。

Nehalem-EXと次世代ItaniumのTukwilaは、同じプラットフォームが利用できる
MicroServerのCPUユニット

 IDFでは、米IBMのブレードサーバー、米SuperMicroと米SGIの1Uサーバーが展示されていた。また、Intelが提唱しているMicroServerも展示されていた。

 MicroServerは、CPUやメモリなどのをユニット化して、簡単にサーバーに追加できるようにしたもので、コンセプトとしてはブレードサーバーと同じだ。MicroServerでは、CPU部分をユニット化したことで、簡単にCPUやメモリの交換、追加が行えるような仕組みになっている。

Intelが提唱しているMicroServerの筐体Nehalem-EXを採用したSGIの1UサーバーNehalem-EXを採用したSuperMicroの1Uサーバー

 また、今回のIDFでは、Nehalemアーキテクチャの次のCPUとなる「Westmere(開発コード名)」アーキテクチャのサーバーCPUもデモされた。Westmereは、32nmプロセスで製造されるため、Xeon 5500番台よりも低発熱、低消費電力になると期待されている。アーキテクチャとしては、Nehalemとあまり変わらない。一部、暗号化などに利用されるAES-NIという命令が追加されている。これにより、RSAやAESといった暗号化が高速に行えるようになる。eコマースなどで、大量のSSLセッションを使用するサーバーなどには、AES-NIを利用することで大幅に負荷が軽くなる。

 Nehalem-EXを使用したサーバーは、年内から2010年の初めに出荷される。Westmereは、2010年の後半になる模様だ。

Westmereで追加されたAES-NI機能を使えば、RSAやAESの暗号化が高速になるWestmereでは、メモリチャネルを3本持ち、NICとして10Gigabit Ethernet(光ファイバーでの接続)を標準でサポートする





(山本 雅史)

2009/9/25 09:00