ネットワールド、クラウド事業者の「サービス商品」の流通網を構築


 株式会社ネットワールドは10月8日、クラウド事業者が提供する「サービス商品」の流通網を構築し、クラウド事業者支援事業を本格的に開始すると発表した。

 「IT資産の所有」から「サービスとして利用」へのパラダイムシフトを起こすクラウドコンピューティング。クラウドビジネスが先行する欧米では、サービス商品においても直販が主流だが、日本ではそれぞれの市場を把握している販売会社やSI企業といかに連携できるかがクラウド事業の成功の決め手となる。しかしながら、一般的な従来の販売管理システムでは、SaaSやPaaSの「月額課金」「従量課金」に対応することが難しく、販売会社やSI企業がサービス商品の取り扱いに消極的で、クラウドビジネスのボトルネックになっているという。

 そこでネットワールドは、ビープラッツと協業。同社のサービス流通支援システム「SaaSplats」を活用して、課金の煩雑さを解決し、流通網に乗りにくいサービス商品の流通促進を実現する。

 SaaSplatsは、「既存の流通網」「既存の販売店」に適合したサービスモデルで、SaaS/PaaSなどの月額サービスを多階層で販売管理するプラットフォーム。「SaaSパブリッシャー」「流通会社」「販売店」「企業IT管理者」のそれぞれの立場で必要な機能とサービスを提供することで、利用者がIT製品やサービスを購入していたこれまでの販売店やSIerから、必要なSaaS/PaaSを必要な分だけ申し込むことができるという。

 例えば、SaaSパブリッシャー向けサービスでは、新規のSaaSサービスをSaaSplatsに登録し、月額レジ付きの「SaaSストア」や流通会社経由で再販することが可能。SaaSplatsを利用している「流通会社」の一覧を見ることができ、取引を希望する流通会社へ申請可能な「流通会社マッチング」なども活用できる。

 流通会社向けサービスでは、既存する「物販」の流通チャネルを「サービス」の流通チャネルとして利用可能にする。主な機能としては「商品管理」と「販売店管理」を提供。前者では、SaaSパブリッシャーとのマッチング機能で取り扱い希望のSaaSを選択。SaaSパブリッシャーが登録した商品情報や利用規約、申込み機能などの情報がデータ連携され、販売可能となる。後者では、自社の販売店に「エージェント管理機能」や「SaaSストア」などを提供するなど、自社ブランドでの販売店向けサービスが実現する。

 販売店もまた、自社専用のストア「SaaSストア」、契約・請求管理「MySaaS」を無料で利用可能。「SaaSの受発注管理」「月次請求/入金管理」「問い合わせ対応」などの煩雑な業務は、ビープラッツが一括対応するため、SaaS/PaaSの月額課金や従量課金のサービスを手軽に販売することが可能という。

 ネットワールドでは、流通を支援するクラウドサービスの第一弾として、クオリティのIT資産管理サービス、アンラボのセキュリティ監視サービス、ビック東海のデータバックアップサービスなどの販売を準備中。併せて、販売会社への案内を11月より、ユーザーへの販売提供を12月より開始する予定で、サービス商品の拡充に努める方針。


(川島 弘之)

2009/10/8 12:45