フォーティネットジャパン、新カントリーマネージャーの新免氏が会見

日本市場における成長戦略を発表

米fortinet インターナショナルセールス兼サポート バイスプレジデントのパトリス・ペルシュ氏

 フォーティネットジャパン株式会社は10月14日、新しいカントリーマネージャーとして新免泰幸氏が就任することを発表した。これにともない、プレス向けにラウンドテーブルを開催し、日本市場における今後の成長戦略などを説明した。

 ラウンドテーブルでは、まず、米fortinet インターナショナルセールス兼サポート バイスプレジデントのパトリス・ペルシュ氏が、ワールドワイドの事業戦略について、「当社は、エンドツーエンドITセキュリティソリューション市場のリーディングプロバイダーであり、従来までニーズの高かった中堅・中小規模企業に加え、最近では大手企業にもフォーカスをあてて事業展開している。通信事業者を中心に、すでに多くの大手企業に導入実績をもっているが、その背景には、当社がセキュリティ領域に特化し、包括的なエンドツーエンドITセキュリティソリューションを自社製品で完結できることがあげられる。また、充実したグローバルサポートを提供している点も評価されている」と説明し、今後は日本市場においても、通信事業者や政府、金融サービスなどハイエンド分野に注力していく考えを示した。

フォーティネットジャパン カントリーマネージャーの新免泰幸氏
フォーティネットの成長戦略
FAMSの概要

 続いて、新たにカントリーマネージャーに就任した新免氏が、ペルシュ氏の発表を受け、「日本法人のマーケット領域をよりハイエンドへと拡大することが私の大きな使命の一つ」と述べ、日本市場での成長戦略として、1)ミッドレンジ・ローエンドUTM(統合脅威管理)のセキュリティ最適化、2)ハイエンドセキュリティの市場定義、3)エンドツーエンドセキュリティへの拡大、の3点を掲げた。

 まず、ミッドレンジ・ローエンドUTMのセキュリティ最適化について新免氏は、「ミッドレンジ・ローエンドの領域は、これまで当社がメインに展開してきたマーケットだが、今後もマーケットシェアをキープしつつ、さらなる拡大を目指していく。そのために、国内の既存ユーザーおよび新規ユーザーに向けて、UTMのメリットをより最適化するソリューションとして、新たにクラウド型のログ管理・分析ソリューション「FAMS(FortiGuard Analysis and Management Service)」を日本語化して提供する」としている。

 新たに国内で提供する「FAMS」は、UTM製品「FortiGate」と連携し、攻撃・トラフィック分析、設定バックアップ、ファームウェア更新、グラフィカルなポータル画面、充実したレポート機能などを、同社のFAMSデータセンターからサービス提供するSaaS型のソリューション。これによりユーザーは、UTMの運用負荷を軽減できるとともに、小容量(10GB)からのスモールスタートが可能となり、従来よりも容易に高いレベルでのセキュリティ防衛機能を実現することができるという。

 次に、ハイエンドセキュリティの市場定義については、「当社では、ワールドワイドにおいて、ハイエンド領域で多くのUTM導入実績をもっている。この実績をベースにして、今後、日本市場のハイエンド企業に向けても積極的にUTMのメリットを提供していく」(新免氏)とし、同社のもつ複合的な脅威管理ソリューションを中核に、データセンター、生命保険、エンタープライズ企業、金融機関といった国内ハイエンド領域の市場拡大を図っていく考え。すでに、政府および学術系企業において、先行して同社ソリューションの導入が進んでおり、今年に入ってからの導入実績として昭和大学、農林水産研究情報総合センター、統計数理研究所のユーザー事例が紹介された。


フォーティネット エンドツーエンドセキュリティの全体像FortiClientエンドポイントセキュリティ4.1の概要FortiClientとFortinet製品の連携でエンドポイントセキュリティ強化

 3つめのエンドツーエンドセキュリティへの拡大としては、「FortiGuard」を始め、クライアント向け総合セキュリティソフト「FortiClient」、DB脆弱性管理「FortiDB」、メール専用セキュリティ「FortiMail」、Webサーバー向けセキュリティ「FortiWeb」、ログ管理とレポーティング機能の「FortiManager」、フォーティネット製品を集中管理する「FortiAnalyzer」の各製品を連携することで、エンドポイントセキュリティを強化するという。これにより、ゲートウェイだけでなく、クライアントからイントラネット、データベース、Web、メールまで統合的な複合セキュリティ脅威対策を提供していく考え。

包括的なエンドツーエンドプロダクトライン

 また、同社では、エンドツーエンドセキュリティへの拡大に向けた製品戦略として、「FortiDB」と「FortiClient」の新バージョンを提供開始している。「FortiDB 4.0」では、操作性を向上し、導入/運用管理の負荷低減を図ったほか、データベース監査機能の強化、スケーラビリティ/パフォーマンスの向上を実現した。一方、「FortiClient エンドポイントセキュリティ4.1」では、無償版において新たにアンチウイルス/アンチスパイウェアおよびWebコンテンツフィルタリング機能を追加したという。



(唐沢 正和)

2009/10/14 18:16