日本HP、RHEL&OSS関連ソリューションを強化-統合された管理性など実現


エンタープライズストレージ・サーバ事業統括 ISSビジネス本部長の橘一徳氏
エンタープライズストレージ・サーバ事業統括 ISSビジネス本部 ソフトウェア・プロダクト&HPCマーケティング部の赤井誠氏

 日本ヒューレット・パッカード株式会社(以下、日本HP)は10月27日、Linuxおよびオープンソースソフト(OSS)関連ソリューションを強化すると発表した。Linux・OSSの統合管理を実現する監視ツール、クラスタソリューション、およびJBossの販売開始でトータルソリューションを強化し、同日より販売を開始する。

 昨今、Linux・OSSを利用したシステム構築が増加しているが、サーバーの台数が増えるにつれ、いかに効率的にシステム管理を行うかが課題になっている。また、Linuxベースのミッションクリティカルシステム構築事例が増え、ミドルウェアもOSSを利用して窓口を一元化したいという要望も高まっているという。そこでトータルソリューションを提供し、「OSSの利用でコスト削減と既存の商用UNIXと同等レベルの運用管理性を確保する」(エンタープライズストレージ・サーバ事業統括 ISSビジネス本部長の橘一徳氏)のが今回の狙い。

 具体的には、「Red Hat Enterprise Linux(以下、RHEL)」と「RHEL Advanced Platform(以下、RHEL AP)」向けに、3つの新施策を展開する。

 1つ目は、日本HP製x86サーバーを利用したLinux環境をハードウェア・ソフトウェアを含め、トータルに監視できる「HP Insight Controlスイート for Linux(以下、HP ICE-LX)」をRHEL APへバンドルする。HP ICE-LXは「サーバーの最適なパフォーマンスを保証するもの」(エンタープライズストレージ・サーバ事業統括 ISSビジネス本部 ソフトウェア・プロダクト&HPCマーケティング部の赤井誠氏)で、複数サーバーの一括管理ツール「HP System Insight Manager(HP SIM)」をベースに開発し、「Nagios」などの実績あるOSSを統合している。「OSSの管理ツールにもさまざまあるが、例えば、RAIDコントローラの故障検知などハードウェアレベルで管理できるものはない。これに対しHP SIMをベースにすることで、ネットワーク・サーバー、ソフトウェア・ハードウェアまで一貫した管理を実現するのがメリット」(同氏)。

 価格は、1年間平日標準時間帯ソフトサポート付きで22万1550円、3年間平日標準時間帯ソフトサポート付きで59万100円、1年間24時間年中無休ソフトサポート付きで32万5500円、3年間24時間年中無休ソフトサポート付きで88万2000円。

HP ICE-LXの概要HP SIMをベースにすることでハードウェアの詳細な管理も実現NagiosなどのOSSを統合している
RHCSに対するサービスポートフォリオを拡充

 2つ目は、「Red Hat Cluster Suite(以下、RHCS)」に対するサービスポートフォリオの拡充。RHEL APのクラスタ機能であるRHCSを使ったシステム構築を支援するサービスなどを提供開始する。まず、各種システムの設計・インストールを行う定型サービス「テクノロジーエクスプレス」のメニューに、RHCSを利用したシステム構築サービス「RHCS構築コンサルティング」を追加。加えて、技術チームが24時間年中無休でユーザーのコールを受け付ける「クリティカルサービス」や「プロアクティブ24」の対象にRHCSを追加する。

 価格は、RHCS構築コンサルティングが126万円から、クリティカルサービスとプロアクティブ24が個別見積もり。

JBoss Enterprise Middlewaraと関連サービス

 3つ目は、「JBoss Enterprise Middleware」の販売。ミドルウェアもOSSを利用したいユーザーに、Webアプリケーションサーバーの「JBoss Enterprise Application Platform(以下、JBoss EAP)」と「JBoss Enterprise Web Server 1.0(以下、JBoss EWS 1.0)」をはじめとしたJBoss製品を日本HPが販売する。JBoss EWS 1.0のライセンスは無償で、テクニカルサポート、製品アップグレード、修正プログラムの提供を含んだサブスクリプションとなる。

 価格は、JBoss EAPがオープン、JBoss EWS 1.0が4CPUあたり31万2900円/年。

 橘氏は「Linuxは日本HPの成長を担うOS。最近は商用UNIXからのリプレースも目立つ。ここへトータルソリューションを提供することで、当社への信頼感を上昇させたい」と新施策の思いを語った。


(川島 弘之)

2009/10/27 15:21