SSJ、完全Web対応を実現した次世代の経営基盤ソリューション


SSJ 代表取締役社長の谷本善男氏
SuperStream-NXのターゲットエリア

 キヤノンマーケティングジャパン(以下、キヤノンMJ)グループのエス・エス・ジェイ株式会社(以下、SSJ)は11月9日、経営基盤ソリューションの新シリーズとして「SuperStream-NX」を発表した。12月1日より出荷開始する。

 SuperStream-NXは、統合業務パッケージ「SuperStream」の累計5424社(2009年3月現在)の導入実績から培ったノウハウをベースとして、一般会計から支払管理、債権管理まで会計機能全般をカバーするとともに、完全Web対応を図っている点が大きな特徴。SOAなどの最新テクノロジーを採用することで、生産管理や販売管理などの外部システムとシームレスに連携し、財務会計・人事/給与システムを中核とした全社規模の統合管理経営基盤システムを実現する。

 SSJ 代表取締役社長の谷本善男氏は、新シリーズを投入する背景について「SuperStreamは、1995年の発売以来14年間、会計・人事に特化した統合業務パッケージとして進化を続けてきた。今回の新シリーズは、市場から根強いERPへのニーズと先進テクノロジーへの対応、さらにはパートナーのデリバリスタイルの多様化を踏まえ、新たに開発した次世代の経営基盤ソリューション。これにより、パートナーとともに“日本版ERPパッケージの決定版”を目指す」と述べている。

 ターゲットエリアは、年商50億円から1000億円以上まで幅広く設定しており、SOA型アプリケーションとして提供することで、市場全体をカバーしていく考え。「顧客やパートナーのニーズに合わせ、100億円から1000億円規模の企業には従来と同様のパッケージ提供型で対応。500億円から1000億円以上の企業にはカスタマイズを前提にしたエンジンライセンスを用意する。また、パートナーが自社ソリューションに組み込む会計エンジンとしてOEM提供も行う。さらに今後、50億円から500億円規模の企業をターゲットに、SaaSパートナー向けにクラウドコンピューティングを前提にしたSaaSモデルも提供していく」(谷本氏)という。

キヤノンITソリューションズ 代表取締役社長の武井尭氏
SuperStream-NXアプリケーション全体構成

 キヤノンMJ/キヤノンITソリューションズグループとしてのSuperStreamの取り組みについて、キヤノンITソリューションズ 代表取締役社長の武井尭氏は、「当社の開発力を生かして、SuperStream-NXに対応した新たな製品、新たな機能を開発するとともに、他社との連携も積極的に進めていく。また、当社のもつ豊富なソリューションをSSJに提供し、SuperStream-NXと組み合わせてパートナー各社に提供していくビジネスモデルを確立したい」との考えを示した。

 今回発売するのはSuperStream-NXの統合会計システムで、経営判断に不可欠な財務会計情報をリアルタイムに集約し一元化することにより、利用者の多様なニーズに応じてさまざまな角度から収支状況を把握・分析・可視化できるようになっている。特に、システム間のリアルタイム連携によって、各種照会画面から他システムの元入力画面までを追跡する「トレーシング」機能では、システムの垣根を越えて、一般会計/支払管理/債権管理にかかわる経営問題点を徹底的に追跡することができる。

 また、最新テクノロジーへの対応として、完全Web対応による一元化されたシステム管理、およびSOAの採用による高い柔軟性と拡張性を備えたシステム構築を実現するほか、マイクロソフトのアプリケーション開発フレームワーク「Silverlight」を採用。業務系アプリケーションにSilverlightを採用するのは、国内では今回が初めてになるという。これにより、従来までの信頼性や拡張性、保守性を維持しながら、プラットフォームやWebブラウザに依存しない機能性や操作性に優れたリッチなWebアプリケーションの構築が可能となった。

 さらに、日本の法制度・商習慣に対するきめ細かい対応や、企業のビジネス成長に応じて柔軟に拡張できる点も特徴。グループ全体の統合会計システムとして利用できるとともに、シェアードサービス運用への支援機能を標準で提供し、グループ経営を強力にサポートする。このほか、日本企業のグローバル化を支援するため、多言語、多通貨機能も備えている。

SilverlightをRIAに採用経営課題を追跡するトレーシング機能
SSJの数年後のビジネスモデル

 「SuperStream-NX 統合会計」の価格は、スタンダードユーザーが1ユーザーあたり100万円(税別)。5ユーザーからの販売となる。今後、統合会計に加えて、人事/給与管理、およびオプション機能として固定資産管理やグループ経営管理などを順次出荷していく予定。SSJでは、新シリーズの発売により、今後3年間でSuperStreamの導入実績を8000社まで拡大していく方針。


(唐沢 正和)

2009/11/9 17:46