コベリティ、ソースコード不具合解析ソリューションの最新版
コベリティ日本支社は11月11日、整合性の高いソフトウェア開発を支援するソースコード不具合解析ソリューションの最新版「Coverity5」を2010年3月末までに正式出荷すると発表した。
Coverity5は、ソフトウェア開発においてソースコードの不具合を自動解析し、修正の優先度をつけ、ソフトウェアの変更によって発生した不具合の影響をマッピングすることができる業界初のソフトウェアインテグリティ製品。静的解析ツール「Coverity Static Analysis」、動的解析ツール「Coverity Dynamic Analysis」、ビルド解析ツール「Coverity Build Analysis」、アーキテクチャ解析ツール「Coverity Architecture Analysis」の全製品ポートフォリオを含むソリューションとなっている。
コベリティ日本支社 マネージングディレクターのリッチ・セルース氏 |
米Coverity プロダクトマネージメントディレクターのトム・シェルツ氏 |
新製品の発表に合わせて行われた記者説明会では、まずコベリティ日本支社 マネージングディレクターのリッチ・セルース氏が、日本支社のビジネス状況について「日本市場に対しては2007年から本格的に販売を開始しているが、前年比100%増の成長率で毎年売り上げを伸ばしており、すでに導入企業は60社を超えている。今年5月には東京新宿に日本支社のオフィスを開設し、この11月には大阪にも営業所を開設した」と紹介。
続いて、米Coverity プロダクトマネージメントディレクターのトム・シェルツ氏が、新製品を投入する市場背景や新製品の特徴などを説明した。
シェルツ氏は、「現在、世界的にソフトウェアの使用領域が広がっており、開発が追いつかない速度で市場が変化している。その中で、ソフトウェア変更にともなう不具合が、ビジネスにまで大きな影響を与えるケースも増加してきている。これに対して開発企業では、ソフトウェアの変更によって生じる不具合を的確に見つけ出し、そのビジネスインパクトを把握し、素早く修正、確認していくことが求められる」と、ソフトウェア開発における変更管理の重要性がさらに高まっていることを指摘。「従来の製品では、不具合の影響のマッピングは手作業で行われることが多く、手間のかかるプロセスとなっていた。Coverity5では、不具合のスキャンから検出、マッピング、修正、レポートまでの一連のプロセスをカバーする機能を提供する。これにより、ソースコードの変更で発生したソフトウェア不具合が与えるビジネスへの影響を軽減することが可能となる」と述べた。
特に今回は、不具合の影響をマッピングできる新たな機能を搭載。具体的には、検出した1つの不具合が、製品ポートフォリオ全体にまたがる複数のソースコードベース、チーム、プロジェクト、および製品にどのような影響を与えるのかを自動的にマッピングし、特定することができる。また、Webベースの多機能インターフェイスを備えた統合不具合影響管理コンソール「Coverity Integrity Manager」を利用することで、開発者は1つのワークフローでC/C++、C#、およびJavaソースコードの不具合を一挙に管理することが可能となっている。
多機能不具合知識ベースには、同社独自の不具合インデックスと、業界規格であるCommon Weakness Enumeration(CWE)のサイトを活用。各不具合のわかりやすい説明と潜在的な不具合の両方の評価など、検出されたあらゆる不具合の詳細情報を開発者に提供する。また、自動重大度フィルタリング機能によって、影響度の大きい不具合を的確に判断して優先順位をつけることができ、これまで推測で対応していた修正作業を、ビジネスインパクトの大きいものから効率的に行うことが可能となる。
さらに、Coverity5では、開発者の生産性向上を図るための機能も強化。不具合追跡機能と使いやすい不具合マーカーを備えた最新のソースコードブラウザを提供し、共有ビューと詳細展開によってプロシージャ間で不具合の詳細を確認できる。また、最先端の不具合レポート機能により、修正済みの不具合、不具合トレンド、製品ライン全体にわたる整合性の包括的な状態を容易に追跡できるとともに、コンプライアンスレポートの作成に役立つ不具合修正の証拠も提供する。このほか、スケーラビリティを拡充することで、より多くのユーザーによる同時解析を実現しており、大規模開発プロジェクトのニーズにも対応できるようになった。
ソフトウェアの不具合を除去する5ステップ | Coverity5 統合不具合管理コンソールのデモ画面 |
2009/11/11 16:51