ITmedia、法人向けバーチャルイベントソリューション「ON24」


アイティメディアの大槻利樹代表取締役社長
米ON24のシャラット・シャラン代表取締役社長兼CEO

 アイティメディア株式会社は25日、Web上で行うバーチャルイベントソリューション「ON24」を法人向けに販売開始した。価格は、主催企業が1社の場合で250万円から。

 「ON24」では、イベントサイトを開設し、オンラインで製品紹介や講演などを行う。サイト上には、企業ブースが並ぶ「バーチャル展示ホール」、講演を行う「バーチャルカンファレンス」、出展企業や来場者同士でチャットなどが行える「コミュニケーションセンター」、主催者からの案内や出展企業の各種資料などがダウンロードできる「リソースセンター」といったページを用意する。

 来場する際は、イベントごとにIDを取得してログインする。展示ホールでは、企業ブースでPDF形式の製品資料などをダウンロードしたり、担当者にチャットで質問することが可能。カンファレンスでは、オンデマンドまたはライブストリーミングによる講演動画を視聴できる。コミュニケーションセンターでは、出展企業や来場者の検索機能、チャット、メッセージボードなどを備えるほか、連絡先などを登録したvCardによる名刺交換が行える。

 また、ページ下部のメニューからも主な操作が可能。各コーナーへアクセスできる「ロケーション」、ダウンロードした資料などを管理できる「ブリーフケース」、主催者案内や資料をキーワードで探せる「検索」、ユーザーの情報を登録する「プロフィール」などを用意。プロフィールでは、名前や企業、所属、連絡先を設定できる。さらに、チャットやメッセージ交換などもページ下部のメニューから操作できるようになっている。

 アイティメディアの大槻利樹代表取締役社長は、「景気悪化の影響で、最近の東京モーターショーは来場者数が半減。CEATEC JAPANも台風で中止になる日があるなど、物理的なイベントは時代的に逆風」だと話し、今後はオンラインでのイベントの需要が増すと予測する。バーチャルイベント事業を開始した理由については、「メディアとの親和性が高い」と説明。同社が行っているリアルイベントも将来的にはオンラインへ移行する方針を示した。

 なお、今回のバーチャルイベントソリューションは、米ON24が提供するサービスで、日本語版はアイティメディアと業務提携して提供する。米ON24のシャラット・シャラン代表取締役社長兼CEOは、「2009年だけで世界で3万件のベントがON24で行われた。成功の理由は研究開発と製品、世界中でサポート体制を整えていること」だと説明。「経済は厳しい状況だが、会社同士のコミュニケーションは行う必要がある。予算カットの中でバーチャルイベントが注目されている」とした。


ON24の概要Flashベースのイベントサイト展示ホールの画面



(野津 誠)

2009/11/25 14:46