Dynamics NAVベースの保守・メンテナンス業務向けERPソリューション


PBC 取締役 戦略事業推進室 室長の吉島良平氏
NAV-MAINTENANCEの導入イメージ
マイクロソフト Dynamicsビジネス本部 本部長の中西智行氏

 株式会社パシフィックビジネスコンサルティング(以下、PBC)は11月26日、保守・メンテナンス業務向けERPソフト「NAV-MAINTENANCE」を発表した。マイクロソフトのERPソフト「Dynamics NAV 2009」をベースにした製品で、2010年1月より販売を開始する。

 NAV-MAINTENANCEは、保守・メンテナンス業務に特化した機能を備えたERPソフト。PBC 取締役 戦略事業推進室 室長の吉島良平氏によれば、「保守・メンテナンス業務の支援ソリューションとしてCRMがしばしば使われるが、修理対象の機器自体の管理、請求業務については、Excelなどの別システムを活用している場合が多く、各業務間で連携がとれていないことが多々ある。NAV-MAINTENANCEは、こうした状況を改善するために提供する」という。

 具体的な機能としては、製品販売後の追跡機能を備えており、対象製品が保証期間内なのか有償になるのか、といった判断を瞬時に行えるほか、部品交換や修理対応の履歴とその詳細を確認可能。また、保守契約管理、リソースや修理部品の価格情報管理、請求手続きなど、会計情報を含めた、保守・メンテナンス業務にかかわる、あらゆる情報の一元管理に対応できる特徴を持つ。さらに、貸し出し・レンタル機器管理や保守作業の外注管理、保守履歴の一覧表示、レポートなど、日本・アジアに特有の業務要件についても拡張が行われている。

 なお、マイクロソフトはDynamicsブランドのERP製品として「Dynamics AX」と「Dynamics NAV」を国内で提供しているが、Dynamics NAVについては直接日本語化を行わず、PBCが独自に日本語化と日本向け機能の追加を行って販売を進めている。今回のNAV-MAINTENANCEも、こうした「マイクロソフトであり、マイクロソフトでないERP製品」(吉島氏)として提供されているDynamics NAV 2009をベースに、PBCがアドオンを加え、保守・メンテナンス業務向けにテンプレート化して販売されるとのこと。

 製品発表の場に臨席したマイクロソフト Dynamicsビジネス本部 本部長の中西智行氏は、「当社では、細かい業種・業務向けのノウハウを持っているわけではないので、プラットフォームの提供に専念。パートナー企業に、コンサルティングから販売・導入までのすべてを担当していただく販売手法を採用している」と述べ、パートナーとの関係を説明。その上で、「日本は製造業が多いし、今後投資も戻ってくるだろうから、こうした時に、PBCから(製造業で利用可能なNAV-MAINTENANCEを)提供いただけるのは大きなことだ」とも話し、PBCによるソリューションの提供を歓迎した。




(石井 一志)

2009/11/26 17:15