米ベンチャー2社、高性能のエンタープライズ向けクラウドを構築


 クラウド関連ベンチャーの米Cloudsoftと米Solarflare Communicationsは12月7日(米国時間)、Cloudsoftのエンタープライズ向けクラウドプラットフォームとSolarflareのネットワーク技術を利用して、伝送速度18.5Gbpsを実現したと発表した。高性能クラウド環境の提供に向け一歩前進したとしている。

 Cloudsoftはエンタープライズ向けのクラウドソフトウェア企業で、Solarflareは10Gigabit Ethernetシリコンなど高性能ネットワーキング技術を提供するベンダー。両社は、Cloudsoftが9月に発表したエンタープライズ向けクラウドプラットフォーム「Monterey」をベースに、Solarflareのサーバーアダプター「Solarstorm SFN4112F 10GbE」や米Arista Networksのスイッチ「7148SX 48 Port 10GbE」を組み合わせたソリューションを構築してベンチマークテストを実施した。仮想化ソフトウェアは米Citrix Systemsの「XenServer 5.5」、プロセッサは「Intel Xeon 5570」を使用した。

 ベンチマークでは、複数のゲストをつなぐゲスト間リンクで伝送速度4.6Gbpsを、4ペアのゲスト間リンクでは10Gの物理接続上で双方向の伝送速度18.5Gbpsを達成したという。これは、市場で提供されているサーバー仮想化I/O技術の5~6倍であり、仮想ネットワーク環境はエンタープライズが求めるパフォーマンスを実現できるレベルにあるとしている。

 Montereyは、クラウドにおける複雑なトランザクションアプリケーションの開発・実装を簡素化する独自ミドルウェア技術「Cloudsoft Distributed Mediation(CDM)」をネイティブでサポートする。ネットワークと処理のボトルネックを自動的に緩和し、リソース管理や実装ポリシーを最適化することで高性能を実現するという。CloudsoftはMontereyの提供を段階的に進めている。

 両社は、こうした高性能クラウドソリューションには市場取引などの金融・財務分野などで需要があると見ている。



(Infostand)

2009/12/8 09:30