アイ・オー・データ、Windows 7の新APIに対応した人感センサー「WinSensor」


WinSensorの特長

 株式会社アイ・オー・データ機器は12月17日、Windows 7に対応した人感センサー「WinSensor」を発表した。WinSensorで提供される人感センサーデバイス「SENSOR-HM/ECO」を同日より販売する。

 WinSensorは、Windows 7で搭載された、温度・湿度・加速度・ジャイロなど多様なセンターに対応するSensorAPIを利用した人感センサー。今回提供されるSENSOR-HM/ECOは、PC利用者の在席・離席を感知し、自動的にディスプレイやPC本体の省電力制御を行うUSB対応の製品。感知する範囲は、本体から左右1.5度、距離は約60cm。設定できるのは、ディスプレイの電源オフ、PCのスリープモードおよび休止状態への変更。Windows 7本体側で同じ省電力設定をしている場合は、WinSensorの設定が優先される。


SENSOR-HM/ECO設定できる項目
第1開発本部 本部長の平野義久氏

 同社第1開発本部 本部長の平野義久氏は、「Windows 7では、マルチタッチやTVとPCの融合など新しいユーザーエクスペリエンスが提供されている。われわれは、こうした機能に対応したデバイスをいち早く提供してきた。今回、Windows 7で新たに搭載されたSensorAPIに対応した人感センサーを世界ではじめて商品化した」と、デバイスメーカーとしてWindows 7を盛り上げるべく製品を投入してきたと紹介。「WinSensorは、PCそのものをうまく制御できるので、エコを意識することなく実現できるのが特長」と、ユーザーの操作不要で省電力を実現できるメリットを強調した。

 サイズは、幅58mm×奥行き45mm×高さ61mm。重量は約85g。接続はUSB。同社直販サイト「ioPLAZA」の販売価格は5980円。

マイクロソフト、コマーシャルWindows本部 本部長の中川哲氏

 発表会には、マイクロソフト株式会社コマーシャルWindows本部 本部長の中川哲氏も出席。「SensorAPIがWindows 7に搭載されたのは、開発の後半の段階。いわゆるRCの段階ではじめて利用可能になったAPI。そのため、年内に対応製品が出るのは難しいと、本社も含めておもっていた」と、実装されたのは開発の最後の段階だったと紹介。「そうした状況にありながらも、アイ・オー・データさまがWinSensorに先行投資していただいたのは、非常にありがたいこと。おかげで、11月に米国で開催したPDC09の基調講演でも紹介させていただくことができた」と、日本発でSensorAPI対応デバイスが製品化されたことを高く評価。

 「Windows 7単体で10%弱の消費電力削減を実現しており、WinSensorと組み合わせることで30%程度の削減効果が得られる。多くの企業で使われているPCがWindows 7になり、人感センサーを組み合わせれば、企業の消費電力削減に大きく貢献できる」(中川氏)と、企業にとってコスト効果の高い組み合わせであると強調した。

 同社では、WinSensor関連ソフトウェアを開発できるよう、サンプルソースコードを公開。また、PCへの組み込みのほか、ソフトベンダーに対して積極的に提案していく考えも表明している。「アプリケーション開発者に対してソースコードを提供するほか、教育機関などにはデバイス提供を含めて提案していく予定。弊社でも、センサー技術を組み込んだ液晶ディスプレイなど、周辺機器を開発することを検討している」(平野氏)と、幅広い用途で使えるよう、さまざまな方面に提案すると述べた。



(福浦 一広)

2009/12/17 11:00