トレンドマイクロとNEC、マルウェア感染の拡散防止ソリューションを共同開発へ


 トレンドマイクロ株式会社と日本電気株式会社(NEC)は12月22日、マルウェア感染被害の拡散を防ぐ、新たなセキュリティソリューションの共同開発を開始すると発表した。2010年上半期の製品化をめどに、両社の開発拠点において共同で開発を進めるとしている。

 このソリューションは、不正プログラム感染被害の拡散を防げるように、感染してしまった端末をリアルタイムで検知し、ネットワークから隔離できるようにするもの。プログラムの挙動を監視する機能により、未知のマルウェアに対しても有効に働くトレンドマイクロの「Trend Micro Threat Management Solution(TMS)」と、NECのネットワークアクセス制御技術「Plug&Secureテクノロジー」を組み合わせて実現するという。

 Plug&Secureテクノロジーでは、通信プロトコルに依存しないほか、ネットワークに接続しようとした端末が、IPパケット通信を行うよりも前の段階で端末を隔離できるため、個々の検疫ネットワーク内で「パッチが適用されているか」「ウイルス対策ソフトの定義ファイルは最新か」といったポリシーのチェックを行うことが可能になる。

 また、新ソリューションでは、企業ポリシーに違反した端末1台ごとに独立した隔離ネットワークを割り当てられるのも特徴。従来の検疫ネットワーク技術では、検疫された端末はすべて単一の検疫ネットワークに誘導されていたことから、検疫されたPCがマルウェアに感染していた場合に、検疫ネットワーク内部での感染が拡大してしまうなど、端末同士が影響をおよぼしあうことがあった。しかし新ソリューションでは、端末個別に隔離されるので、検疫ネットワーク内での端末同士の影響を排除できるメリットがある。

 さらに、TMSを組み合わせることにより、未知のものを含めたマルウェアへの感染をリアルタイムで把握できる点も強みとのこと。




(石井 一志)

2009/12/22 12:03