米Microsoft、「Word」を巡る特許侵害訴訟でカナダi4iに敗訴


 「Microsoft Word」の機能の一部が自社の特許権を侵害しているとして、カナダのi4iが米Microsoftを相手取って起こした訴訟の控訴審で、米連邦巡回控訴裁判所は12月22日(米国時間)、一審を支持し、Microsoftに約2億9000万ドルの賠償金支払いと販売差し止めを命じた。

 同訴訟は、Wordに含まれているカスタムXMLの文書管理機能が自社特許を侵害しているとして、2007年3月にi4iが起こした。2009年8月のテキサス州東部地区連邦地裁の判決は、i4iの訴えを認め、「Word 2007」「Office 2007」の販売差し止めを命令。Microsoftはこれを不服として上訴していた。

 Microsoftは判決を受けて、問題の機能を削除した修正版のWord 2007とOffice 2007を作成すると発表した。差し止め命令は2010年1月以降に有効となり、米国内のみが対象。また発効日以前の販売分は対象外となる。

 Microsoftによると、この機能は「あまり使われていない機能」で、差し止め命令対応の準備を進めていたという。また、次期版「Word 2010」「Office 2010」のベータ版では該当機能は削除されているという。

 同時に、最高裁への上訴を含めた法的な選択肢を探るとしている。



(Infostand)

2009/12/24 09:00