ITフロンティア、大容量動画配信に最適なストレージ一体型配信システム


Blackwave 8100 Familyの導入前/導入後

 アイ・ティ・フロンティア株式会社(以下、ITフロンティア)は1月7日、米Blackwaveと日本での販売代理店契約を締結。インターネット動画配信に特化したストレージ・配信サーバーの統合システム「Blackwave 8100 Family」の販売を開始した。

 Blackwave 8100 Familyは、動画の管理と配信を一括して行えるシステム。ディスクアクセス効率を高めたストレージシステムと同時セッション処理能力を高めたサーバーから構成される。特徴はソフトウェア・ハードウェアともに最適化することで、「従来と同等のコストで最大10倍のパフォーマンスを実現する点」(ITフロンティア)。独自の技術でSATAドライブの読み取り速度を10倍に引き上げており、その増設・拡張もコンテンツライブラリ数やユーザー数に応じ、24TB単位で数百TBまでシステムを停止することなく行える。

 また、コンテンツごとに常に変化するストリーミング需要量に応じて、リアルタイムのプロビジョニング機能も備え、最適な配信速度を実現するようにファイルの複製やディスク上のデータ位置の最適化などを自動実施する。

 HTTP/WMS(Windows Media Server)/Flashなどマルチプロトコルをサポートし、配信サーバーを既存システムに追加するだけで新しいプロトコルが追加される。異なるプロトコルの配信サーバーとストレージを共有できるため、1つのシステムで複数のプロトコルの配信が可能。エンドユーザーが快適にダウンロードできるよう、動画ファイルのビットレートに応じてセッションごとの配信速度を調整するといった各種QoSも搭載されている。

 昨今、ブロードバンドの普及により、国内の動画データのトラフィックは急増しており、「ハイビジョン画質×数百万の同時配信」が求められるようになった。従来の動画配信インフラやSSDなどを用いて需要に応えるには莫大なコストがかかる一方、動画配信業界の競争は激しく、配信容量でGBあたりの単価は5年前と比べ数百分の1程度に下落しているという。そこでITフロンティアは、低コストで高品質の画像を大量にエンドユーザーに配信できる次世代システムとしてBlackwave 8100 Familyに注目し、取り扱いに踏み切ったとしている。

 価格は、最小構成で3500万円(税別)から。2010年度6億円の売り上げをめざす。


(川島 弘之)

2010/1/8 11:00