コスト削減は社員のやる気をそぐ、経営層はケアを思案中-goo意識調査


 エヌ・ティ・ティ レゾナント株式会社(以下、NTTレゾナント)は1月21日、「コスト削減と働くモチベーションに関する意識調査 第二弾」に関するgooリサーチ結果を発表した。

 1月14日に公開した第一弾の調査では、中小企業(従業員10名~299名)に務める社員約500人に、コスト削減に関するアンケートを実施。会社で「コピー費の削減」をはじめとしたさまざまなコスト削減が実施されており、過半数が「コスト削減によって業務が非効率になった」、約4割の人が「コスト削減が退職を考える要因になる」と回答するなど、コスト削減が“働くモチベーション”に与える悪影響を浮き彫りにしていた。

 「企業のコスト削減の際に、過半数の社員が働くモチベーションを一番考慮してほしい」という社員の思いを明らかにした第一弾の調査に対し、今回の調査では、経営層(部長職、取締役など)約400人にアンケートを行い、経営層と社員の意識の差に迫っている。

 第二弾調査では、どのようなコスト削減を行ったかという質問に対し、経営層の62.6%が「交際費の削減」、54.3%が「交通費の削減」、53.8%が「コピー費の削減」と回答。即効性が高く、すぐに実行できるコスト削減を実施していることから、経営層がコスト削減の効果を早期に求めていることが分かった。

 一方で、コスト削減によって社員間で不満が出ていると感じる経営層が、48.8%と約半数存在する結果となっている。その不満としては「(経営層が)現場を理解していない」(44.4%)、「働きにくくなった」(43.4%)、「業務を理解していない」(40.5%)など。少なくとも4人に1人の経営層が、コスト削減によって現場の業務が支障をきたしていることを把握していた。しかし、その対応策を実施しているかについては、69.8%が「実施していない」と答え、コスト削減策が先行し、社員のケアには十分対応できていない現状が浮き彫りになった。

 また、今後も継続的にコスト削減を実施するかという質問には、24.3%が「積極的に実施する」、65.0%が「実施する」と回答。約90%がコスト削減を継続する意向であった。その際に一番懸念することとしては、「社員のモチベーションが低下すること」(45.3%)が最多。モチベーション向上につながる施策があれば実施したいかという質問に、95%の経営層が「大変思う/思う」と回答し、社員のモチベーションを下げないコスト削減策を模索する姿勢が明らかになった。

 NTTレゾナントでは「第一弾・第二弾の調査から、社員・経営層ともに、コスト削減によって働くモチベーションが低下することを強く懸念していることが分かる。課題は社員の不満を経営層が解決できていないことだ」としている。


(川島 弘之)

2010/1/21 13:57