日立、仮想化対応などを強化したSOAプラットフォーム「Cosminexus」新版


 株式会社日立製作所(日立)は1月27日、SOAプラットフォーム「Cosminexus」の新版「同 V8.5」を発表した。システムの開発生産性向上に関する機能や、仮想化対応を強化している点が特徴。28日より販売を開始する。

 Cosminexusは、SOAによるシステム構築を支援するためのミドルウェア製品群。今回の新版では、まず、アプリケーションサーバー「uCosminexus Application Server」において、業務アプリケーション単位で仮想サーバーを一括構築するとともに、各仮想サーバーのアドレスや負荷分散設定といった環境パラメータ設定を自動で行う機能を搭載した。これにより、環境設定時間を従来と比べて最大1/10に短縮できたという。

 また同製品では、物理・仮想サーバーと業務アプリケーションの対応構成を可視化することにより、運用操作対象の業務アプリケーションを指定するだけで、その起動・停止などの操作を行える機能も追加。運用操作時間を最大1/3に短縮した。あわせて、運用管理製品群「JP1」との連携機能により、業務アプリケーションの日次運用のスケールイン/アウト、週次運用の起動・停止など、運用のスケジューリングも可能になっている。

 さらに、従来の「Cosminexus V8」でサポートしたFullGCレス機能を強化。Cosminexusが独自にメモリ管理対象とするオブジェクトの範囲が拡張されたため、プログラミングレスでのFullGCレス対応が可能になり、システム性能確保とさらなる高信頼化を実現したとしている。

 加えて、システム開発生産性のさらなる向上についても強化が図られた。SOA実行基盤製品「uCosminexus Service Platform」において、既存のメインフレームやトランザクション制御システムから新規業務システムへの連携を、サービスバスでさらに容易に行えるようにした。また、SAP ERP 6.0と新業務システム間をWebサービスで簡単に接続可能とし、これらのシステム間接続工期を、従来比で最大50%短縮しているという。

 価格は、uCosminexus Application Serverが126万円から、uCosminexus Service Platformが441万円から、大量のリアルタイムデータのモニタリングや分析処理の基盤製品となる「uCosminexus Stream Data Platform」が210万円から、Web/テレコム連携サービス構築支援アダプタ「uCosminexus NGN Application Adapter」が210万円から。なお、uCosminexus NGN Application Adapterは、今回より新たにラインアップされた製品である。


(石井 一志)

2010/1/27 12:19