日立システム、企業向けRIAプラットフォーム「XPLATFORM」を販売

デザイン性に優れ、大容量データも扱えるRIA

TOBESOFT、代表取締役のキム・ヒョンゴン氏
既存RIAの弱点を埋めるREA

 韓国TOBESOFTは1月27日、RIA(リッチインターネットアプリケーション)のUI(ユーザーインターフェイス)開発プラットフォーム「XPLATFORM」について、株式会社日立システムアンドサービス(以下、日立システム)と販売代理店契約を締結したと発表した。

 TOBESOFTは、2000年7月創業の企業。韓国ソウル市に本社を構え、エンタープライスRIAをはじめとする4つの事業を展開する。国内では 2002年のNRIとの協業を契機に、2008年に銀座に日本事務所を構え、本格的に展開している。

 エンタープライズRIAは、Oracleなどによって近頃、REA(Rich Enterprise Application)とも呼ばれている。TOBESOFTが取り組むのは、RIAではなくREAであり、その間には「企業に必要な機能、性能、デザインの調和があるかないかという差がある」とTOBESOFT、代表取締役のキム・ヒョンゴン氏は語る。

 RIA・リッチクライアントの方向性は「Ajaxベースのリッチクライアント」と、JavaFX/Flash/Silverlightなどの「RIAプラットフォーム」に大別される。キム氏によれば「前者には、クライアントリソースの有効活用による軽さがあるが、デザインは脆弱。後者には、UIデザインの流麗さや使いやすさがあるが、パフォーマンスが弱いと、それぞれにメリット・デメリットが存在する。企業で応用にするには、“Something More”が必要だが、XPLATFORMはUIマッシュアップなどのさまざまな独自技術を盛り込むことで“機能、性能、デザインの調和”という“Something More”を実現している」という。

機能面での差別化ポイント性能面での差別化ポイントデザイン面での差別化ポイント

【動画】XPLATFORMで作成したREAの動作デモ(別ウィンドウが開きます)

株式情報を扱うウィジェット。膨大なデータを扱いながら表現豊かなUIが作成できる

 REAの適用分野としては、「株式情報などの膨大なデータを扱う場合、多段階プロセスの統合など複雑な画面構成が求められる場合、不安定なネットワークでもモバイル利用したい場合など、さまざまなシーンで活用されている」(同氏)とした。

 国内ではNRIとの契約以降、顧客数15社以上、売上高6000万円~1億円というのがビジネス現況。今回の日立システムとの販売代理店契約で国内市場の創出に本腰を入れる。パートナー経由での間接販売をビジネスモデルとし、2010年度にプラス2社との代理店契約を行う予定。その後も2013年度までに計15社にパートナー数を拡大し、300社の顧客を獲得を目指すとしている。

日立システム、第1事業グループ 金融システム本部 エンタープライズシステムサービス部 第1グループの小山方孝氏

 一方、日立システムでは、従来より取り組んできたRIA事業のラインアップにXPLATFORMを加え、ミッションクリティカル度の低いFlash/Flexと高い「Nexaweb」との間を埋めるソリューションとして展開する方針。同社、第1事業グループ 金融システム本部 エンタープライズシステムサービス部 第1グループの小山方孝氏は、「XPLATFORMは、大量データ処理に強く、かつFlash/Flexに負けないリッチなUIの提供が可能。ほかのリッチクライアント更改時の受け皿として利用できるほか、今後トレンドとなる“脱ブラウザ”を実現できる」と、XPLATFORMの価値を説明。「特許技術も多数保有しているTOBESOFTの強みと、大手企業を中心とした実績豊富な当社の強みを生かして、新規SI案件の獲得に努めたい。すでに数十社へ提案しているが、今後はさらに、セミナーを中心にXPLATFORMをプロモーションしていく」と今後のビジネス展開を述べた。売上目標は、今後3年間で20億円とのこと。


(川島 弘之)

2010/1/27 16:03