日本オラクル、5年間ライセンスを用いた「Oracle DB 11g」上位版の拡販キャンペーン

「オラクル 安くクル 5年クル」を合言葉に、パートナーと共同展開

 日本オラクル株式会社は1月28日、上位のデータベース製品「Oracle Database 11g Enterprise Edition」(以下、Enterprise Edition)の活用促進を狙い、販売パートナー各社と「データベース活用促進キャンペーン」を開始すると発表した。お得なキャンペーンパッケージ「オラクル クルクルキャンペーン」を中核とし、ユーザーやSIerに対して最新機能などの価値を訴求するという。

 「データベース活用促進キャンペーン」は、Oracle Databaseの上位エディションである、Enterprise Editionとそのオプション製品の利用促進を図るキャンペーン。中心となる「オラクル クルクルキャンペーン」では、通常の永年ライセンスではなく、5年間の使用権に限定したライセンスを採用することにより、Enterprise Editionとそのオプション製品を最大67%引きで提供する。

 常務執行役員 システム事業統括本部長の三澤智光氏は、このキャンペーンを展開する理由を、「プロジェクトでよく発生する、パフォーマンスの劣化、予期せぬシステム障害といった問題は、Enterprise Editionであれば解決できる機能が備わっており、リスクを回避できる。しかし一方で、コア数×係数で必要なプロセッサライセンスが計算されるEnterprise Editionは、コアが増えるとライセンス料がふくれあがっていく。そのため、『Enterprise Editionはコスト面での負担が大きすぎる、何とかしてくれ』という要望が寄せられていた」と説明。これに応えるために、パートナーとの協力のもとで、「オラクル 安くクル 5年クル」を合言葉としたキャンペーンを実施することにしたという。

常務執行役員 システム事業統括本部長の三澤智光氏キャンペーン実施の背景キャンペーンの価値
キャンペーンパッケージで利用可能な技術これらの技術・機能を活用すれば、データベース環境でよくある課題を解決できるという

 今回、低価格化のために採用された「Term License」は、期間限定の使用権を提供するライセンス。ワールドワイドでは古くから展開されており、さまざまな期間のものがあるというが、5年サイクルでのハードウェア買い替え/リース契約が多いことを踏まえて、「オラクル クルクルキャンペーン」では期間を5年間に設定した。

x86環境向けのパッケージ

 対象としては、企業規模を問わず、中規模システムでの利用を想定した。Enterprise Editionと、「Oracle Partitioning」「Oracle Tuning Pack」「Oracle Diagnostics Pack」といった各オプションをセットにしたx86サーバー向けの「クルクルEE-4」では、最近多いクアッドコア×2CPUのサーバーで利用できる、4プロセッサライセンス(インテル/AMDのクアッドコアCPU1基につき、2プロセッサライセンスが必要)を5年限定で提供する。参考価格は永年ライセンスでは3000万円(税別)のところ、67%引きの980万円(同)に抑えられ、「機能を考慮すると、競合と遜色(そんしょく)のない価格が出せた」(三澤氏)とする。

 また、2ノード分の「クルクルEE-4」と「Oracle RAC」をセットにした「クルクルRAC-8」は、永年ライセンスで8000万円(税別)のところを、やはり67%引きの2590万円(同)で提供する。一方、初年度サポートについても割引価格が設定された。参考価格は、「クルクルEE-4」で308万円(税別)、「クルクルRAC-8」では814万円(同)で、いずれも53%引きの価格となっている。

 加えて、UNIX向けには、3プロセッサ分のライセンスとオプションをセットにした「クルクルEE-3」、6プロセッサ分のライセンスとオプションをセットにした「クルクルRAC-6」が設定された。価格はそれぞれ735万円(税別)、1942万5000円(同)で、利用可能な期間は、x86向けと同様の5年間。

 x86/UNIX向けの各パッケージとも、提供期間は5月末までの限定となっており、「その後の展開は、しかるべきものを検討中」(三澤氏)。5年間のTerm Licenseが切れた後も利用したいユーザーが出てくることが予想されるため、永年ライセンスへのアップグレードパスは用意するとした。販売目標は、5月末までに「クルクルEE-4」が200~300セット、「クルクルRAC-8」が20~30セット。

 なお三澤氏は、「Oracle Database 11gでは、最新のテクノロジーが搭載されているのに、残念ながらお客さま、SIerの多くは、Oracle 8i/9iの知識でやっている。最新版の持つ、新しい機能を普及させたい」と、もう1つの狙いを話す。このため、パッケージの提供とあわせて、最新の機能を紹介するセミナー、トレーニングも積極的に展開する意向で、5月までにのべ3万人の顧客、パートナーに対して機能紹介やトレーニングを実施する計画である。


(石井 一志)

2010/1/28 16:44