3G通信、FeliCa、バーコードリーダー内蔵の業務用PDA「PIT」


3G通信モジュール、バーコードリーダー、非接触ICカードリーダーライター搭載を内蔵した業務用PDA「PIT」

 株式会社シーエスイーは、下り最大7.2MbpsのFOMAハイスピード(HSDPA)対応3G通信モジュールを内蔵した業務用PDA「PIT」を3月に発売すると発表した。価格は個別見積もりとなるが、1台10万円を切る程度の価格が見込まれている。

 薄さ19mm、重量230gで、OSはMicrosoft Windows CE 6.0 R3を採用。HSDPA通信に対応した3Gモジュールを内蔵し、FOMA網を使った下り最大7.2Mbps通信が利用可能。IEEE 802.11b/g準拠の無線LAN、Bluetooth 2.0+EDRにも対応する。

 非接触ICカードリーダーライターを搭載し、FeliCaと、FeliCaと同じ13.56MHzを採用し世界で広く普及している非接触式規格MIFAREによる認証に対応。ログイン機能や入退出管理などに利用できる。

 また、赤色半導体レーザー方式によるバーコードリーダーも搭載。従来のPDA端末ではバーコードリーダーは外付けオプションとして提供されることが多かったが、「PIT」はPDA単体で小売店などのバーコード読み取り可能な業務端末として利用できる。

 メモリはフラッシュROM 512MB、DRAM 128MBを搭載。液晶は4.3インチワイドのタッチパネルTFTカラーを採用、縦持ち・横持ち使用のいずれにも対応する。インターフェイスはmini端子のUSBポート、RS232C、microSDカード対応のカードスロット、IrDA 1.0準拠の赤外線ポートを装備。モノラルスピーカーも内蔵する。

 電源はリチウムポリマー充電池を採用し、連続運用は約6時間。バックアップ用の副電源は約5年間の保持をサポートする。サイズは153×80×19~22mm(横×縦×厚)、重量約240g。

ウィルコムではPHS対応のクレードルとのセットモデルを用意する

 「PIT」はシーエスイーから販売するほか、ウィルコムとIIJからも発売される。

 ウィルコムでは、単体販売のほか、W-SIM用のUSBアダプタ「NS001U」が装着できるPHS対応のクレードルとのセットも用意。「PIT」単体価格はシーエスイー同様10万円を切る程度、PHS対応クレードルとのセットモデルは12万円前後の価格となる見込みだ。

 ウィルコムの販売するPHS対応クレードルをセットにしたモデルでは、FOMA通信網を利用する「WILLCOM CORE 3G」による3G通信のほか、PHS対応クレードルを利用したPHS通信にも対応。PHS対応クレードルを合わせて利用することで、通信料コストが低減できる。なお、PHS対応クレードルはAC電源専用のため持ち運びには対応しないが、店頭でデジタルPOP設置などの用途でPHS利用により通信料を低減できる。

 IIJでは、IIJの提供する高速モバイルデータ通信サービス「IIJモバイルサービス/タイプD」に対応した業務用PDAとして「PIT」を提供ラインアップに追加。価格は、「PIT」をレンタルで3年契約した場合、1回線あたり初期費用1万8900円、月額費用は4389円から。

 IIJは流通小売業、外食、配送などの業務端末やデジタルサイネージ、デジタルPOPなどの用途を想定しており、端末提供開始に合わせてIIJのクラウドサービス「IIJ GIO(ジオ)」上で、SaaS型サービスを追加していく予定だ。

 なお、シーエスイーでは、3月9日から東京ビックサイトで開催される「リテールテックジャパン2010」で「PIT」の出展を予定している。



(工藤 ひろえ)

2010/1/29 16:30