CTC、日立、シーゴの3社がI/O仮想化分野で協業-クラウド支援ソリューションを提供


 伊藤忠テクノソリューションズ株式会社(CTC)、株式会社日立製作所(日立)、シーゴシステムズ・ジャパン株式会社(シーゴ)の3社は2月1日、I/O仮想化プラットフォーム分野で協業すると発表した。3社は、共同で同分野のソリューションを販売するという。

 シーゴが進めるI/O仮想化は、サーバーとストレージ、およびネットワーク機器間の通信経路を専用のコントローラで仮想化し、サーバーへのI/Oリソースの割り当てや変更、サーバーの交換作業を単純化できるようにするもの。サーバーとストレージ、サーバーとネットワーク機器の間を結んでいた複数のケーブルを、1本の共通物理インターフェイス(InfiniBandを利用)にまとめ、仮想的に複数のインターフェイスカードを作成することによって、ケーブルとインターフェイスカードを、最大70%削減できるという。

 3社では今回、I/Oがボトルネックになる可能性があるクラウド環境において、顧客の課題を解決するために、このI/O仮想化技術を利用して、共同ソリューションを展開することにした。CTCがソリューション開発と販売を、日立がストレージ、システム運用管理ソフトの提供と技術支援を行うほか、シーゴが、I/O仮想化コントローラ制絵品の提供と技術支援を実施する。加えて、マーケティングや技術検証、教育プログラムなどを3社が共同で実施し、ユーザーへのソリューション提供を推進するとした。

 具体的な協業の成果としては、CTCが、企業のクラウド環境構築を支援する「仮想I/O統合プラットフォーム」を、日立とシーゴの協力のもとで提供する。このプラットフォームでは、日立とのミッドレンジディスクアレイ「Hitachi Adaptable Modular Storage 2000シリーズ」、統合システム運用管理ソフト「JP1」と、シーゴのI/O仮想化コントローラ「VP780」をセットにして提供するが、専用テンプレートの活用により、カスタムメイドの導入と比べて、導入期間を最大1/2まで短縮できる点が特徴。またI/Oにかかわる設備コストも、最大50%削減できるという。加えて、設計から運用・監視までをトータルで支援、構築ガイド、教育プログラムなどの提供も行う。

 今後については、3社で共同実施した検証結果をもとに、設定例や簡易スクリプトを含めた仮想I/O設定ガイド、設計や監視のポイント・推奨を含んだテンプレートを新たに開発する計画。またJP1との連携により、I/Oを含めたシステム監視において、システム使用率に基づきジョブの自動化を実現するソリューションの強化を、4月をめどに図る予定とした。

 なお3社では、売り上げ目標として、今後3年間で20億円を見込んでいる。

仮想I/O統合プラットフォームの概要





(石井 一志)

2010/2/1 17:04