日本HP、初の14インチワイド液晶搭載モバイルワークステーション

法人向けノートPCのハイエンドモデルも投入

 日本ヒューレット・パッカード株式会社(以下、日本HP)は2月25日、法人向けノートPCの最上位ブランド「HP EliteBookシリーズ」の新モデルとして、モバイルワークステーション2機種およびハイエンドモデル1機種を発表した。ラインアップは、モバイルワークステーションが14.0インチワイド液晶搭載「HP EliteBook 8440w/CT Mobile Workstation(以下、8440w/CT)」と15.6インチワイド液晶搭載「HP EliteBook 8540w Mobile Workstation(以下、8540w)」の2機種、ハイエンドモデルが14.0インチワイド液晶搭載「HP EliteBook 8440p Notebook PC(以下、8440p)」となる。

HP EliteBook 8440w/CT Mobile Workstation

 8440w/CTは、同社初となる14.0インチワイド液晶搭載のコンパクトなモバイルワークステーション。同社では、「従来、オフィスやラボなどでは、デスクトップ型のワークステーションが主流だった。しかし、パンデミック対策や自宅勤務の推奨など、社会的な環境変化の影響もあり、ワークステーション業界においてもモバイル需要が増加してきた。今回、こうしたワークスタイルの変化に対応するため、14インチのコンパクトモデルを投入し、使う場所・使う時間・使う環境を選ばない新たなモバイルワークステーションを提案する」と、新モデルの狙いを説明している。

 さらに、「モバイルワークステーションとしてだけでなく、ハイエンドノートPCとしてさまざまな用途での利用が広がっており、スペック構成を自由にカスタマイズしたいというニーズが高まってきた」ことを受け、8440w/CTではフルカスタマイズに対応。搭載プロセッサ(Core i7またはCore i5)、ディスプレイの解像度、メモリ搭載容量(最大8GB)、HDD(最大500GB)またはSSD(128GB)、光学ドライブ(ブルーレイ書き込みドライブなど)またはドライブレス、最新のWindows 7 Professionalや英語版OSなどを選択することができる。グラフィックスには、NVIDIA Quadro FX 380M(512MBビデオメモリ)を搭載。ユーザーの予算と目的に応じて柔軟な構成が可能となるため、妥協や無駄のない機能のモバイルワークステーションを最小のコストで導入できる。

HP EliteBook 8540w Mobile Workstation

 一方、15.6インチワイド液晶モデルの8540wは、プロセッサに最新のCore i7/Core i5プロセッサ、グラフィックスにNVIDIAR Quadro FX 880M(1GBビデオメモリ)を搭載。テンキー付きフルピッチキーボード、デュアルポインティングデバイス(タッチパッド+ポイントスティック)などによる優れた操作性を備えたモバイルワークステーションとなっている。

 また、8440w/CT、8540wとも、ハイエンドビジネスノートPCとしての利用促進に向け、筐体に新カラーの「ガンメタリック」を採用するとともに、「あん(安全性)」「しん(信頼性)」「かん(簡易性)」の機能をさらに拡充させている。「あん(安全性)」としては、Absolute社のComputraceソリューションをHP ProtectToolsセキュリティマネージャーにマージ。同ソリューションを購入し、インストールすることで、紛失や盗難にあったノートPCに対して、指定したファイルやフォルダの削除をリモートで実施することが可能となる。

 「しん(信頼性)」では、フルマグネシウムのベース筐体・マグネシウムとアルミの合金のパネル筐体・特殊形状のラッチ・強靭なヒンジで構成された「HP DuraCase」を採用。とくに、ディスプレイカバーはハニカム構造のアルミニウムとマグネシウム合金の2層構造によって、強度を従来機比180%に向上。パームレストについても、アルマイト処理されたアルミニウムを採用し、従来機よりも6倍の強さを実現している。

 「かん(簡易性)」については、最新の「HP QuickLook3」と「HP QuickWeb」を搭載。電源オフ時に、HP QuickLookボタンをワンタッチするだけで、OSを起動することなく、Outlookと同期したメールデータ、スケジュール、電話帳、仕事、リストを約10秒で画面上に表示することができる。今回搭載する最新版では、表示だけでなく編集も可能となり、OS起動後にOutlookに反映される。また、HP QuickWebボタンを押すことで、約10秒で専用Webブラウザが起動し、OSを起動せずにWebにアクセスすることが可能となる。

 さらに、従来までデスクトップワークステーションのみに搭載されていたビデオ会議ソリューション「HP SkyRoom 1.1」を無償バンドル。HP SkyRoomは、シンプルなインターフェイスで情報の共有やメンバーの管理が可能で、HP独自の圧縮技術「HP3テクノロジー」によって3D画像や動画のスムーズな表示を実現する。これにより、高解像度のビデオ映像や動画などを共有しながらの遠隔地会議などを、モバイルワークステーションを使って、出張先や移動先などでもより手軽に行えるようになる。このほか、消費電力を管理するためにOSやデバイスの構成設定を簡単に変更できるユーティリティ「HP Power Assistant」も新たに搭載している。

HP EliteBook 8440p Notebook PC

 ノートPCのハイエンドモデル8440pは、14.0インチワイド液晶を搭載したハイエンド・デスクトップ代替機。プロセッサに最新のCore i5を搭載し、上位モデルには、グラフィックス機能としてNVIDIA NVS 3100M(512MBビデオメモリ)、液晶ディスプレイにHD+(1600×900)を搭載することで、画像編集などの用途でも使える高いパフォーマンスを提供する。OSには、Windows 7 Professional 32bitを搭載している。また、モバイルワークステーションの新モデルと同様に、「HP DuraCase」による堅牢な筺体、「HP QuickLook3」や「HP QuickWeb」などによるユーザビリティの向上、インテルvProテクノロジー対応や「HP Power Assistant」による優れたパフォーマンスと省電力性の実現など、「あん(安全性)」「しん(信頼性)」「かん(簡易性)」のさらなる向上を図っている。

 価格は、8440w/CTが12万6000円から、8540wが20万1600円から、8440pが15万1200円から。8540wの一部モデルと8440pは、同日より販売代理店で受注開始し、3月上旬以降に出荷を開始、同社オンラインストア「HP Directplus」では3月上旬より販売開始される。8540wの一部モデルと8440w/CTは、HP Directplusで3月中旬より販売が開始される。



(唐沢 正和)

2010/2/25 14:20