日本IBMとIBCSの統合、狙いは「コンサルとインプリの一元提供」
専務執行役員 GBS事業セクター統括担当の椎木茂氏 |
日本アイ・ビー・エム株式会社(以下、日本IBM)は3月1日、グローバル・ビジネス・サービス(GBS)事業に関する2010年の戦略説明会を開催した。
主なテーマとなったのは、日本IBMとIBCSとの統合についてだ。専務執行役員 GBS事業セクター統括担当の椎木茂氏は「お客様と末永くかたい絆を築き、真のTrusted Partnerになるためにはどうすればよいかを、真剣に考えた結果」と説明する。「今という時代は多くの企業が、コンサルだけでなく、導入も含めた一括したソリューションを強く求めている。それを別々の組織で支援することも不可能ではないが、より迅速さを身につけるために組織は統合した方がよいと考えた。統合されていた方が、より多くのリソースにアクセスしやすくなる」というわけだ。
「いままではコンサル、システム構築、運用保守を別々に提供してきたが、これからはすべてを統合的に提供し、コンサルからその先のインプリまで一貫したサービスを心がけなければいけない」(執行役員 GBS事業 戦略コンサルティング担当の金巻龍一氏)。その証しとして、従来の「戦略コンサルティング」「カスタマーリレーションシップマネジメント」「ファイナンシャルマネジメント」「ヒューマンキャピタルマネジメント」「サプライチェーンマネジメント」のサービスを、「ストラテジー・トランスフォーメーション(以下、S&T)」という新サービスに統合。同サービスのための専門グループも立ち上げて体制を整える。
また、最近は業界の区別もあいまいとなっているため、サービスを切り口とした部隊と業界を切り口とした部隊をこれまで以上に複合的に連携させ、「業界の枠を超えたグローバルソリューションを提供し、コンサルの結果を素早く具体的な結果に反映できるようなサービスを心がける」(金巻氏)とした。
姿勢としては、「組織の成長を顧客と一緒に考えることがテーマ」(同氏)。「企業変革PMO」というサービスでは、コンサル結果を迅速に具現化する「トランスフォーメーション」に注力し、「お客さま先に常駐し、ビジネスの変革を一緒になって最後まで支援する。“Living in the client”をテーマに掲げ、専門常駐チームも立ち上げるつもりだ」(同氏)とした。その議論を提案書のような定型のものではなく、人と人が自由闊達(かったつ)に行えるよう、「お客さまとのディスカッションのための新しい工夫も採り入れる予定」という。
S&Tという新サービスに統合 | GBS戦略を実現するための新組織モデル |
2010/3/1 16:22