フリービット、「仮想データセンター」サービスを開始
フリービットの石田宏樹社長 |
フリービット株式会社は3月3日、子会社のメディアエクスジェンジ株式会社(以下、MEX)と共同で、データセンター自体を仮想化して企業に提供する“仮想データセンター”サービス「MeX VDC」を発表した。サービスは3月中旬から提供の予定。
「MeX VDC」の中心となる中規模・大規模システム向けサービス「ENTERPRISE-FARM」は、仮想化専用サーバーに加えて、ファイアウォールやロードバランサー、ネットワーク回線など、システム全体を仮想プラットフォームとして提供する仮想データセンターサービス。従来はハウジングサービスで実際のサーバーを用いて構築していたような大規模システムを、デスクトップ上の管理ツールから仮想的に構築・運用できる点が特徴となる。
「MeX VDC」のサービスラインアップ | 「仮想データセンター」上にシステムを構築できる |
ユーザー側では、管理画面から仮想マシンやロードバランサーなどの機器を追加・削除できるほか、ネットワークの構成自体も変更可能。稼働中の仮想マシンに対しても、クローンを5分で作成できるとしている。
仮想マシンの費用は、CPUが1仮想CPU(vCPU)あたり月額1万500円、メモリ1GBあたり月額1万500円から。回線費用は、初期費用が10万5000円、月額料金がピーク時通信速度10Mbps以下の場合で1Mbpsあたり8400円。IPアドレス割当手数料は1万5750円。このほか、ディスクバックアップ、ファイアウォール、ロードバランサーなどをオプションで提供する。
「ENTERPRISE-FARM」の管理画面 | システム構築例 |
インターネット事業者向けには、仮想化プラットフォーム実装向けの物理サーバーを1筐体単位で提供する「VPS-BOX」サービスを予定している。仮想化専用サーバーサービスを提供したいと考えている事業者向けのサービスで、月額料金は9万9800円。仮想専用サーバーを最大250台(メモリ256MB、HDD10GBで構成した場合)動作できる。
法人のライトユース向けには、仮想専用サーバーを1台単位で提供する「ENTRY-VPS」サービスも予定している。メモリ1GB、HDD50GBの構成で月額費用3000円~4000円。メモリ2GB、HDD100GBの構成で月額費用5000円~7000円を想定。「VPS-BOX」「ENTRY-VPS」の両サービスは、4月~6月にサービスを開始する。
「VPS-BOX」サービス概要 | 「ENTRY-VPS」サービス概要 |
フリービットでは、MeX VDCのサービス提供にあたって、仮想化のミドルウェアを中国に設置したラボで独自に開発。フリービットの石田宏樹社長は、「仮想化サービスにおいては、ミドルウェアと電気代以外はほとんどタダに近づいていくことが予想される。ミドルウェア部分を独自に開発することで、価格競争力を継続的に担保できる」と説明。また、サービスはIPv6に標準対応しており、今後のIPv6への移行もスムーズに行えるとした。
また、今後はフリービットのすべてのサービスを、仮想化データセンターの上に乗せていきたいと説明。第一弾として、医療機関向けにオンラインで医療費明細書(レセプト)のチェックを行うサービスを、3月下旬から販売すると発表した。
2010/3/4 12:18