日本IBM、LTO-5規格準拠のテープドライブ「IBM System Storage TS1050」


 日本アイ・ビー・エム株式会社(以下、日本IBM)は4月14日、LTO-5準拠テープ製品のラインアップに、最大280MB/秒(圧縮時)の転送速度を持つ「IBM System Storage TS1050」を追加すると発表した。大容量テープライブラリ「IBM System Storage TS3500」に搭載できる。出荷開始は4月16日より。

 TS1050は、LTO-5規格に準拠したテープドライブの新製品。テープあたりの容量はLTO-4に比べて約2倍の最大3TB(圧縮時)と大きく、大容量のデータを保管することができる。また、低電力モードを備え、アイドル時の消費電力を従来の約48%におさえられるほか、サーバーのデータ転送速度の変化にあわせ、ドライブ内のデータ転送速度を14段階で動的に変更可能。さらに、内蔵データバッファを活用し、1GBのファイル読み込み時間を8秒以下にできるという。

 一方、これを搭載したTS3500テープライブラリでは、LTO-5のテープメディアを利用することで、従来の約2倍にあたる、最大30PBのデータ保管を行えるとした。

 インターフェイスは8GbpsのデュアルFCポートを搭載。価格は、単体では352万円(税別)から、TS3500を4基搭載したTS3500では3000万円(税別)から。

 なお日本IBMでは、DVD-Rなどの外部記憶装置と同様の操作性をテープ上で実現し、アプリケーションから直接ファイルの読み書きができるファイルシステムソフトウェア「IBM Long Term File System」を利用すると、テープ単独でのデータの受け渡しが容易になるため、従来、ビデオファイル搬送や保管などで使用されていたポータブルHDD、DVD-Rなどを、LTO-5テープに置き換えられるとしている。


(石井 一志)

2010/4/14 14:15