日本で使われるPCソフトは5分の1が違法コピー、損害額は1719億円


世界の違法コピー率と損害額の推移
日本の違法コピー率と損害額の推移

 ビジネスソフトウェアアライアンス(BSA)は11日、PCソフトの違法コピー状況に関する「第7回世界ソフトウェア違法コピー調査」の結果を公表した。2009年に日本で使われていたソフトウェアのうち約5分の1が違法コピーで、損害額は18億3800万ドル(約1719億円)に上ることがわかった。

 BSAでは、調査会社の米IDCに委託し、PCソフトの違法コピー状況を調査。日本における2009年の違法コピー率は21%(前年同)で、調査対象111カ国のうち2番目(前年同)に低かったが、損害額の18億3800万ドルは世界のワースト8位(前年はワースト10位)だった。

 BSA日本担当事務局長の松尾早苗氏は、「日本における違法コピーの被害が改善されず、とりわけ損害額が世界で8番目に悪い不名誉な結果であったことは非常に残念。1700億円という損害額はあくまでソフトウェア産業に対する直接的な損害を示したもので、周辺産業への影響までを考えた場合、日本経済への影響は計り知れない」と述べている。

 調査対象111カ国のうち、違法コピー率が上昇したのは19カ国、低下したのは54カ国。一方、違法コピー率が高い中国やインド、ブラジルなどのソフトウェア市場の急拡大に伴い、全体の違法コピー率は3年連続で上昇となる43%(前年比2ポイント増)、損害額は514億ドル(約4兆8000億円)に上った。

 違法コピー率の高い国は、グルジア(95%)、ジンバブエ(92%)、バングラディシュ(91%)、モルドバ(91%)など。逆に違法コピー率の低い国は、米国(20%)、日本(21%)、ルクセンブルク(21%)、ニュージーランド(22%)など。違法コピーによる損害額の順では、米国(83億9000万ドル)、中国(75億8300万ドル)、ロシア(26億13000万ドル)など。




(増田 覚)

2010/5/12 16:28