アダプテック、SSDをHDDのリードキャッシュにする「MaxIQ」製品群を強化

SSDキャッシュソフトを組み込んだRAIDカードも提供

 アダプテックジャパン株式会社(以下、アダプテック)は5月13日、SSDを用いてHDDのリード性能を向上させるソリューションを強化すると発表した。「MaxIQ SSD Caching Performance Solution Kit」(以下、MaxIQ SSD Caching)のラインアップに64GBモデルを追加するほか、MaxIQソフトウェアを組み込んだRAIDカードを新たに提供する。提供はいずれも、5月20日より開始される。

MaxIQ SSD Cachingの動作イメージ
代表取締役 北アジアセールスの稲葉知彦氏

 MaxIQ SSD Cachingは、ランダムリード性能が優れるSSDを利用して、HDD単体、ないしはHDDアレイのリード性能を向上させようというソリューション。アクセスの多い“ホットデータ”をあらかじめSSDの中にコピーし、SSDをリードキャッシュ(キャッシュプール)として利用することにより、HDDに対するアクセス速度を最大5倍に向上させている。

 ただしMaxIQ SSD Cachingは、同社のRAIDカード(2シリーズ、5シリーズ、5Zシリーズ)向けの追加ソフトウェアと、インテル製の専用32GB SSD(SLC)がセットになっており、市販品のSSDは利用できなかった。しかし、32GBではキャッシュ容量が不足するケースがあるほか、既存のSSDを使いたいという声があることから、新たな選択肢を提供することにしたという。

 そのMaxIQ SSD Cachingの新版では、RAIDカード向けの追加ソフトとのセット製品について、新たに64GB SSDを提供。また、認定された市販のSSDと組み合わせて使える、あらかじめMaxIQソフトウェアを組み込んだRAIDカードを提供することで、大容量SSDを手軽に使えるようにした。

 これについて、代表取締役 北アジアセールスの稲葉知彦氏は「従来も、セット製品を複数買えばキャッシュプールは増やせたが、1つにつきおおよそ13万円ほどと、コスト面では安いとはいえなかった。新版では、1枚カードを買ってくれば、エントリー向けの『2405/Q』で最大80GB、大規模向けの『5405/Q』『5405Z/Q』で最大2TBまでのキャッシュが利用できる。コストパフォーマンスという点では、ベネフィットがより得やすくなるだろう」とコメント、より大規模なシステム向けとなるため、対象としては、主にデータセンターでの利用を想定しているとのことで、すでに大規模なコンテンツプロバイダでの検証も始まっているとした。

 なお今回は、MaxIQソフトウェア自体の強化もされており、同一のSSDを利用した場合でも、パフォーマンスが60%向上したとのこと。

MaxIQ SSD Cachingでは、64GB SSDを追加SSDキャッシュソフトウェアを組み込んだRAIDカードを発売MaxIQ新版の特徴

 製品価格はいずれもオープンだが、想定される価格としては、MaxIQ SSD Cachingの64GBセットモデルで15万円程度。また、ソフトウェアが組み込まれたカードは、ベースとなるRAIDカードより4~5万円程度高くなる見込みとしている。



(石井 一志)

2010/5/13 12:10