独SAP、オンデマンド版SaaS「Business By Design」次期版を発表


 独SAPは5月17日(欧州時間)、SaaS形式で限定的に提供している業務アプリケーション「Business By Design」の次期版の機能と展開戦略を発表した。Business By Designは現在米国など6カ国で提供しており、2011 年以降に世界で提供を開始する予定だ。

 Business By DesignはSAPのオンデマンド版の業務アプリケーション。中規模企業向けと位置づけており、現在、米国、ドイツ、英国、インド、中国、フランスの6カ国で限定的に提供している。

 7月末に提供予定の最新版では、インメモリ技術導入による高速なデータ処理、カスタマイズなどを特徴とする。インメモリ技術は、ディスクではなくシステムのメモリにデータを保存することで性能を飛躍的に改善する手法。最新版はこの技術を組み込むことで、高度なデータ分析を高速に実行できる。また、「Microsoft Excel」との統合も可能で、モバイル対応も強化し、より手軽にデータ分析ができるという。

 UIやレポートのカスタマイズも強化した。UI自体も改善されており、新たに「Microsoft Silverlight」に対応した。またインタラクティブなグラフ、ナビゲーションの簡素化、「Microsoft Office」との統合の強化などによって、ユーザビリティを改善できるという。単一またはマルチテナント型の両方に対応し、顧客は自社のシナリオに合わせて導入できる。

 Business By Designの展開では、専用の開発環境を提供し、顧客のニーズに合わせて業界固有の機能や補完的な機能を追加できるようにする。エコシステムを確立し、ソリューションプロバイダや再販事業者などと共同で展開していくとしている。

 Business By Designの次期版は2010年7月に、現在提供している6カ国で一般提供を開始する。2011年以降、地域を拡大する予定だ。


(Infostand)

2010/5/18 08:32