ベンチャーの米Pana Logicは8月27日(米国時間)、ハードウェアだけでソフトウェアを持たないシンクライアント端末「Pano」を発表した。仮想化技術を利用して、すべてのソフトをサーバーで実行するため、TCOを大幅に削減し、セキュリティ面でも優れるという。9月から提供する。
Panoは手のひらに載るサイズのキューブ型の端末で、キーボード、マウス、ディスプレイなどのインターフェイスを備える。端末には、OS、CPU、メモリ、ドライバなどを持たず、周辺機器はIP網で仮想サーバーに接続して、Windows VistaまたはWindows XPのインスタンスを実行する。仮想サーバーは、米VMwareの「VMware ESX Server」を利用する。
また、通常のシンクライアントにはない機能も提供。たとえば、IT管理者はサーバー仮想化技術を利用したデスクトップ管理「Pano Button」で、ボタンを押すだけでトラブルが生じたWindowsインスタンスから別のインスタンスに切り替える設定ができるという。
端末の消費電力は5ワット。ソフトウェアを持たないのでマルウェアに感染するおそれはなく、メンテナンスも簡単に済む。同社によると、デスクトップPCとしてのTCOを約70%削減可能で、3年間で3200ドルの節約になるとしている。
Pana Logicは、XenSourceの創設者で元CEOのNick Gault氏が社長兼CEOを務めている。Panoは、月額ベースのソリューションとして提供する予定。
■ URL
米Pano Logic
http://www.panologic.com/
プレスリリース(英文)
http://www.panologic.com/who-we-are/press-releases/2007-08-27.php
( Infostand )
2007/08/29 11:30
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