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日本IBM、ワークステーションブレード「IBM BladeCenter HC10」

シンクライアント化でオフィス環境を改善

システム製品事業 ブランドマーケティング担当の藤本司郎氏

IBM BladeCenter HC10ソリューションの概要
 日本アイ・ビー・エム株式会社(以下、日本IBM)は10月10日、ワークステーションブレード「IBM BladeCenter HC10(以下、HC10)」を発表した。ファンレス・ディスクレスの専用シンクライアント端末「IBM CP20 ワークステーション・コネクション・デバイス(以下、CP20)」と併せて、10月22日から出荷を開始する。発表会では、システム製品事業 ブランドマーケティング担当の藤本司郎氏が製品説明を行った。

 HC10は、ブレード型のワークステーション。一方のCP20は、専用のシンクライアント端末。BladeCenterには、これまではサーバーブレードのみがラインアップされており、今回が初めてのクライアント用ブレード製品となる。

 新製品のコンセプトは「オフィス環境を改善する」こと。従来のタワー型ワークステーションでは、一般的に操作要員1人につき1台必要となる。このため、設置スペースの確保が困難になるほか、騒音、発熱がオフィス環境を劣悪にし、生産性を低下させる要因であった。また、各ワークステーションのデータ管理、保守作業、セキュリティの確保が個人の裁量にゆだねられてしまう一面も問題となっていた。

 そこで新製品群では、ワークステーション機能をブレードに集約し、LAN経由で接続したCP20で処理を行うことで、オフィスから騒音・発熱源を排除。これによりオフィス環境を改善するとともに、ブレードとして集約することで、一元的な管理やセキュリティを実現しようというのがコンセプトとなる。藤本氏によれば、従来のタワー型ワークステーションに比べ、オフィス内の排熱を9割、設置スペースを8割削減することが可能という。

 HC10の主な仕様は、Core 2 Duo(1.8~2.66GHz)×1、60GB HDD、メモリ最大8GB、NVIDIA Quadro NVS 120Mまたは同 Quadro FX 1600M。インターフェイスに1000BASE-T/100BASE-TX/10BASE-T×1を備える。一方のCP20の主な仕様は、DVI×2、USB×4などを備え、サイズはほぼA5と同等の高さ21cm×幅8.8cm×奥行き13.4cm。


HC10の特長 CP20の概要 CP20の内部構造

IGTAの特長
 機能的な特長としては、HC10、CP20両方に実装された「IGTA(I/O&Graphics Transmission Adapter)」が挙げられる。このIGTA同士がCPUリソースに代わって、画像および入出力信号をハードウェアベースで圧縮、暗号化するため、「タワー型ワークステーションでの処理と同等のレスポンスを実現すると同時に、高いセキュリティが確保できる」(藤本氏)。ネットワーク混雑時にはより高圧縮化を行ったり、画面の差分のみを送信したりするなどの特長も備えている。

 さらに、IGTAはDDC(Displeay Data Channel)に準拠しており、「CP20に接続したディスプレイなどのデバイスがHC10上のOSからは直結されているように見えるので、IGTA専用のドライバやソフトウェアは不要。例えば、USBデバイスをつないだ場合は、PCに直接つないだのと同様な挙動を示すため、操作感の面で、ユーザーが特別な考慮をする必要がない」(藤本氏)という。

 価格は、HC10が最小構成で35万7000円から。CP20が7万4970円。

 日本IBMでは、トレーダーなど負荷の高いアプリケーションを理由する金融業、CADを利用する製造業などを中心に拡販をめざす意向。



URL
  日本アイ・ビー・エム株式会社
  http://www.ibm.com/jp/
  プレスリリース
  http://www-06.ibm.com/jp/press/20071010002.html


( 川島 弘之 )
2007/10/10 17:14

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