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無料電話ソフトSkypeは企業でも使えるか?


 インターネットを通じたユーザー間で無料電話が可能なSkypeを、企業でも利用したいとする動きが強まっている。ある会社では、ドイツにある拠点との連絡にSkypeを導入し、両拠点間の国際電話料金をゼロにした。「電話料金の心配がないので、つい長話になってしまう」。


導入は基本的に無料、ただし注意点も

Skype
 SkypeはルクセンブルクのSkype Technologiesが開発した、P2P技術を利用したIP電話ソフト。一般的なPCの性能とインターネット回線の速度があれば、ユーザー間で電話に匹敵する音質で、最大5人まで同時に無料通話ができる。また、国内外の固定・携帯電話へ格安料金で通話できる「Skype Out」も利用できる。通常のIP電話に必要なSIPサーバーを必要とせず、通話するユーザーのPCにSkypeをインストールし、マイクとヘッドホンがついたヘッドセットなどを接続すれば利用できる手軽さも大きな特徴だ。

 国内ではライブドアがSkype社と提携し、同社のWebサイトで無償提供を行っているほか、一部でヘッドセットとのバンドルパッケージを販売している。特に複雑な設定などを必要としないため、法人向けインテグレーションや技術サポートなどのサービスは現在のところ提供されていない。ライブドアによると、Skypeは他社ポータルのIM(Instant Messenger)のような位置づけで、同社会員の増加やヘッドセットなどの売上増加を狙ったものであり、直接的な収益を狙ったものではないという。

 もともと非常に簡単に利用環境が整うため、IP電話のようなサーバーの設置やインテグレーションなどは必要としない。このためサポートサービスなども提供されておらず、基本的に自己責任での利用となるため、注意が必要だ。


法人向け事業展開の可能性は?

 Skype単体は無償で入手することができるため、直接的なビジネスとはなっていないが、もともとある製品の機能を補完する形で取り込む動きがある。ネオジャパンのグループウェア「desknet's」が、Skypeと連携するモジュールの提供を2004年11月から無償ではじめた。

 ネオジャパン プロダクト企画部主務 中井敏博氏によると、約3カ月間で「約3000のダウンロードがあった」という。この追加モジュールを適用すると、desknet'sに登録するメンバーに、Skypeでユーザーを識別するSkypeIDを登録することができ、desknet's上からSkypeを呼び出して通話することができる。Skype単体より高度なユーザー管理や、desknet'sのほかの機能とスムーズな連携が可能となる。


ネオジャパン プロダクト企画部主務 中井敏博氏 desknet's for livedoor Skype

サイバーフォンK
 実際にどのような法人ユーザーが利用しているか、正確にはわからないが、中井氏によると、従業員50人以下の企業、または部門単位での利用が中心だという。手軽に導入できるとはいえ、音声データをネットワーク上に流すため、それなりの帯域を消費するので、一度に多くのユーザーが利用するとネットワークへの負荷が高くなってしまう。IP電話はSIPサーバーなどにより、音声とデータの帯域をコントロールすることができるが、Skypeでは、言い換えるとP2Pのファイル交換ソフトを社内で利用するのと同じような状態になるといえる。利用するには、あらかじめ管理者に確認をとった方がいい。

 基本的にユーザーの責任で利用することになるSkypeだが、中井氏によると法人向け事業として展開をはじめようとする動きもあるようだ。まず、Skype Outによる通話料金の回収を代行しようというもの。Skype Outは、クレジットカード決済、またはあらかじめ一定額のチケットを購入するという、やや特殊な課金体系をとっており、現状では対応できない企業もある。為替リスクもあり(通話料金はユーロで計算される)若干、価格は上乗せされるが、国内は1分約2.69円、米国や英国など主要国に対しては1分約2.38円、中国は約3.08円(いずれも2005年3月現在)など、もともとの通話料金が、通常の電話と比較して非常に安いため、十分お得だ。さらにヘッドセットの利用に抵抗を感じるユーザーに対し、電話に近い形のハンドセット「サイバーフォンK」の提供も行っている。

 初期導入コストや通話料金が非常に魅力的であるため、規模にかかわらず導入を検討したいユーザーも多いと思われる。現在のところ外部の電話からの着信に対応できないため、完全な内線の置き換えにはならないが、今後の機能向上次第では、IP電話への移行にも少なからず影響を与える可能性がある。なお、テレビ電話やボイスメールなどの付加機能を有償で提供される予定があるという。



URL
  livedoor スカイプ
  http://skype.livedoor.com/
  desknet's
  http://www.desknets.com/
  desknet's for livedoor Skype
  http://www.desknets.com/standard/product/func/function_skype.html
  関連記事:ライブドア、P2P電話ソフト「Skype」との独占的パートナーシップを締結(INTERNET Watch)
  http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2004/10/26/5150.html
  関連記事:グループウェアにIP電話機能を追加する「desknet's for livedoor Skype」 (INTERNET Watch)
  http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2004/11/10/5354.html


( 朝夷 剛士 )
2005/03/11 10:44

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