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「普通のOLからキャピタリストへ」サンブリッジ プリンシパル 祐川氏
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女性ベンチャーキャピタリストインタビュー【前編】
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ご存知の方も多いかと思いますが、筆者はサンブリッジのEIR(客員起業家制度)を利用して株式会社モディファイの設立にいたっています。実は筆者とサンブリッジの“出会い”のきっかけを作ってくれたのが、この祐川京子さんなのです。
「きっかけは祐川京子♪」、を常に唱え、実践する彼女の哲学を伺いました。
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祐川 京子(ゆかわ きょうこ)
株式会社サンブリッジ 投資事業部 プリンシパル
第一生命の一般職として十数年勤務。事務職や法人営業を経て、営業スキルの研修講師に。生保レディや異業種のビジネスパーソン約4,000名に向けて講演・研修を実施。
2006年4月、株式会社サンブリッジに転職。現在、ベンチャーキャピタリストとして活動中。
著書に『ほめ言葉ハンドブック(共著)』(PHP研究所)、『ほめ言葉ワークブック(共著)』(PHP研究所)、『夢は宣言すると叶う』(中経出版)ほか。
祐川京子のブログ http://blogs.itmedia.co.jp/yukawa/
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■ 人と人の出会いのきっかけ作り
祐川氏
一言でいうと、私、プレゼンフェチなんですよ。
小川氏
フェチですか(笑)。
祐川氏
プレゼンが上手な経営者が好きなんです。ブログを書いていてよかったと思うのは、会いたい人に会えるようになるという効能ですね。実際小川さんとの出会いも、2006年のFBS(フィードビジネスサミット)の小川さんのプレゼンに感動して、村井さん(当時はgooブログのチーフプロデューサー、現在はGoogleに勤務)にお願いして紹介していただいたのがきっかけです。
小川氏
そうでしたね。三人で食事をして、なんだか意気投合して(笑)。そのあとすぐに、(サンブリッジ社長の)永山さんを紹介していただいたんでしたね。
祐川氏
お二人にごちそうになったことを永山さんに報告したら、じゃあお礼しにいこう、とすぐおっしゃって。それであいさつに伺ったんです。私はいつも仕事関係でどなたかと会食したら報告するようにしているんですけど、そんなふうに「すぐに会いにいこう」みたいな反応は珍しくて。だから、なにかピンときてたんじゃないですかね。
小川氏
まさしく、きっかけは祐川京子、でした(笑)。
ところで、遅まきながら軽く自己紹介をお願いします。
祐川氏
そうでした。
ベンチャー投資やインキュベーションを行っているサンブリッジの投資事業部のプリンシパルをしています。元は新卒で第一生命に入社しまして。事務職を3年くらいやって、そのあと法人営業に移りました。で、その頃のスキルをもとに全国のセールスレディの営業スキルの講師をするようになりました。永山さんとはその当時からの知り合いです。キャリアプランのメンターだったといっていいですね。長い時間、私の成長の軌跡を見ていただいている気がします。まあ、その頃は自分の部下にしようなどとは思ったりもしてなかったと思いますけど。
小川氏
よくベンチャーキャピタリストに転身しようと思いましたね。
祐川氏
ですね(笑)。キャピタリストになりたいと思ったわけではなく、永山さんの下で働いてみたくなった、というほうが正確かもしれません。実際、いざ投資家になる、と思うとやはり不安で、財務的な知識も、ITに関する知識もないのに大丈夫なのかと確認しましたよ。
小川氏
それでその答えは?
祐川氏
財務諸表が読める人は、探さなくてもたくさんいるし、ITに詳しい人もいくらでもいるよと。そういう人なら山のようにいる、欲しいのは、よい案件を引っ張ってきてくれる人なんだと言われて。それなら私、自信ある、と考えました。
■ オンリーワンのキャピタリストを目指す
小川氏
日本のVC(ベンチャーキャピタル)に、女性キャピタリストはどのくらいの人数がいるんでしょうね。
祐川氏
わからないけど、感覚的には100人いないと思いますけどね。
小川氏
男女で能力差はないと思いますけど、職種的な向き不向きはあると思うんですよ。キャピタリストとして、女性ならではの良さとか、逆に不利だと思う点はありますか?
祐川氏
うーん。あまりない、とは思います。ああ、でも、キャピタリストの動きって、営業に限りなく近いと思うんですよ。用もないのに経営者に会っていただく、コンタクトをとらせていただくということが継続的に必要なんですね。男性だとなかなか会いたがらなくても、女性だと比較的会っていただきやすいかな(笑)と思ったりします。
小川氏
保険の営業も女性が多いですしね。それはあるかと思います。
祐川氏
逆に、長期的に、よりクローズなおつきあいをしていただくために、異性であることが多少の障害になることはあるかもしれないですけど。
小川氏
自分ならでは、の強みみたいなものはどうです?
祐川氏
自分ならでは、という点では、私、自己啓発オタクですから(笑)。創業経営者には、自分がサラリーマンだった経験がない方も多くて、社員の教育とか、啓発に関して無頓着なことも多いんです。そこで、社員や、女性社員への接し方などを含めて、サラリーマンの視点で私がアドバイスできることは多いかなと思います。社員教育に関してはプロですから。
小川氏
なるほど。
祐川氏
会社をよくするためには社員の活性化は必要ですから。だから、VCを複数入れる、という場合なら、私を中に入れてもらうことで、オンリーワンの良さを取り入れてもらえると思っています。
■ 今できることを、きちんとする経営者を評価
小川氏
いま担当している投資先は?
祐川氏
エイベック研究所とシャノンですね。両者ともマーケティングソリューションの分野です。
小川氏
投資を考えるうえでの基準は?
祐川氏
最終的な局面ではなく、はじめのステージの話ですけど、やはり社長の面構えというか、人相みたいなものを見ますね(笑)。というか、経営者として志が高い人かどうかをみます。社会貢献とかを平気で口に出せる人が好きなんですよ。たとえば、オウケイウェイヴの兼元さんは理想的な経営者だと思っています。
小川氏
なるほど(笑)。
祐川氏
なにもないから、助けてください、というような経営者はだめですね。
黒字になったら、ということをいう人はあまり信用しません。今できることで、何かを返そうという、昔ながらの仁義とか義理に厚い人が好きですね。そういう人が大成すると思っています。
自社の資金でしますから、数字だけを見て判断することもないですね。ビジネスモデルとそれを遂行する経営者の双方をみています。
小川氏
基本はITにしか投資しないですよね。
祐川氏
ですね。ないわけではないですけど。例えば液晶テレビのバイ・デザインとか。
■ 投資ではなく、投資をしたあとのケアをすることが自分の仕事
小川氏
異業種からの転身で実際苦労はない?
祐川氏
ないといえばうそになりますけど、自分の強みを生かしていけば何とかなると思います。たとえば、案件を持ってくるには人と会わなければなりません。昨年、名刺交換をした方が1400人で年賀状は2000枚出しました。
小川氏
そのマメさはまねできないです(笑)。
祐川氏
好き嫌いなく、どんな案件でも入っていこうとは思っています。ただそうはいっても、自分で何が分からないのかのさえ分かってない世界、例えば半導体みたいな(笑)、そういう世界の案件は自分では判断できないので、他の分かる人につなぐことを考えています。
小川氏
無理に完投しないで中継ぎやリリーフに任せると。
祐川氏
一般的なVCだとキャピタリスト一人ひとりにポイントが課されていて、他の人に案件をまわすことってあまりないと思うんですけど、サンブリッジはそこが違います。紹介数や案件自体の数をポイントに数えて実績とする、というようなルールがないので。私はユーザー視点でみて、テクノロジー視点で見られる人の助けになればいいと思っています。例えばシャノンはイベント管理ツールのASPです。私は無類のイベント好きなので、利用者としての見方が常にできていると思います。分からないときは小川さんにも聞くし(笑)。
小川氏
Anytimeで(笑)。今後の目標をどう設定する?
祐川氏
自分が直接投資に関わる数を多くすることですね、キャピタリストとしての普通の目標ですけど。ともかく早く数社投資をしたい。なぜならば、投資先が少ないと、投資先自体を増やすことだけを目標にしがちです。でも、実際は投資すること自体ではなく、投資先企業のインキュベーションのお手伝いをすることが自分の目標なんです。そのステージに早くいきたい。投資先企業の販路拡大とか人材教育などを早くやっていきたいと思っています。そこでこそ、私の強みが活かせると思っています。
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小川 浩(おがわ ひろし) 株式会社モディファイ CEO。東南アジアで商社マンとして活躍したのち、自らネットベンチャーを立ち上げる。2001年5月から日立製作所勤務。ビジネスコンシューマー向けコラボレーションウェア事業「BOXER」をプロデュース。2005年4月よりサイボウズ株式会社にてFeedアグリゲーションサービス「feedpath」をプロデュースし、フィードパス株式会社のCOOに就任。2006年12月に退任し、サンブリッジのEIR(客員起業家制度)を利用して、モディファイを設立。現在に至る。著書に『ビジネスブログブック』シリーズ(毎日コミュニケーションズ)、『Web2.0BOOK』(インプレス)などがある。 |
2008/03/04 00:00
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