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SAPジャパン、人材管理製品のテンプレートに新ライブラリを追加


ストラテジックソリューション事業本部 HCMソリューション部 ソリューションアーキテクト、山田進一氏
 SAPジャパン株式会社は3月7日、人事管理ソリューションのテンプレート「ベストプラクティスHCM」の新版を、4月より提供開始すると発表した。

 ベストプラクティスHCMは、SAPジャパンの人事管理ソリューション「mySAP ERP Human Capital Management」などの導入効率向上を目的に提供されているもの。プリセットパラメータやテストデータ、各種マニュアルのほか、2004年からはパートナー企業との協調のもと、拡張機能ライブラリとして、外部システムとの接続、対象業務範囲の拡大を目的としたプログラム群を提供してきた。

 しかし従来の拡張機能ライブラリは、勤怠管理や社会保険関連など、定型業務の自動化・省力化に関するものが主で、人材情報の可視化を行ったり、事業変化への対応力をつけたり、といった人事部業務の変革に必要な機能は用意されていなかったという。また別の側面から見ると、人材配置管理、目標管理、アセスメント、eラーニングなど、事業部門による自律的な人材管理を支援する機能も不足していた。

 そこで今回の新テンプレートでは、この両エリアを中心に機能を拡充。パートナー企業によって提供されるコンピテンシー構築・診断ツールや人材アセスメントツールとの自動連動プログラムなどを追加した。同社のストラテジックソリューション事業本部 HCMソリューション部 ソリューションアーキテクト、山田進一氏はこれに関して、「教育やアセスメントなど、一般従業員のセルフサービス関連機能を提供することにより、人材の可視化が促進できた」と述べ、今後は定型業務をいかに楽にするか、という部分は当たり前として備えつつ、より戦略的な人材管理を行えるように機能を拡張していく姿勢を示した。

 またこれまでSAPジャパンのライセンス体系では、「セルフサービス関連機能を使ってもらおうと思っても、一般従業員に広く浅く利用してもらうためのライセンスがなかった」(山田氏)。そこで同社では、利用アプリケーションが限られる代わりに安価で提供できる「ESS/MSSライセンス」をスタートさせる。これらのライセンスは、人事部、経理部といった特定部署を対象にする通常のライセンスと異なり、事業部全員、社員全員といった大規模なレベルでの利用を見込んでいるため、従来のように1名単位ではなく、~1000名、~1万名、など、範囲を区切ったロット制で販売される。

 なおSAPジャパンでは2005年より、顧客の業種・規模別に編成していた事業部の体制を一部改め、ソリューションの観点から販売、マーケティング、プリセールスなどの活動を行えるように、「ストラテジックソリューション事業本部」を社内に設置。CRMとHCMを重点的な事業注力分野として、多様化する顧客のニーズに応えていくとしている。



URL
  SAPジャパン株式会社
  http://www.sap.co.jp/


( 石井 一志 )
2005/03/07 11:04

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