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マイクロソフト、Exchange Server 2007の開発を完了

12月15日よりボリュームライセンスでの提供を開始

Exchange Server 2007の主な強化ポイント

インフォメーションワーカービジネス本部 本部長の横井伸好氏
 マイクロソフト株式会社は12月12日、「Microsoft Exchange Server 2007」日本語版の開発が完了したと発表した。これに伴い、12月15日よりボリュームライセンスでの提供を開始する。なお、パッケージ版での提供は、2007年1月30日。

 Exchange Server 2007は、コンプライアンス対策機能や2007 Office systemとの親和性の向上、x64環境への標準対応など、信頼性・可用性を高めたメッセージングサーバー。また、携帯電話やWindows Mobile搭載端末などとの連携機能を強化するなど、モバイル環境への対応も充実している。

 同社インフォメーションワーカービジネス本部 本部長の横井伸好氏は、「Exchange Serverは1995年の初めてのリリースから5代目のバージョンアップを迎えた。機能面では、メールだけでなく、音声メッセージも管理可能なユニファイドメッセージング機能を搭載。そのほか、メッセージの転送時の細かなルール設定やアーカイブ機能など、企業のコンプライアンス対策を支援する機能が強化されている」と説明。

 「最新版より、64ビット環境での提供となり、可用性・拡張性も向上した。これにより、ミッションクリティカルシステムにも耐えうる製品となっている。そのほか、管理者にとっても利用しやすい環境を用意しており、管理コスト削減にも有効」(横井氏)と、エンタープライズ環境での利用に適していると強調した。


個人情報が入力されたメールなどを社外に転送する場合、トランスポートルールを適用することができる
トランスポートルールに適合した場合、特定の処理が行われる。デモでは、監査部門にメールが転送されている
送信したユーザーには、警告メッセージが表示される

トランスポートルールの設定画面 デモでは、メッセージ中に電話番号に該当する文字列があった場合に警告を与え、監査部門に送信する設定が行われている

送受信されるメールの履歴管理と監査に対応したジャーナリング機能 モバイル端末を紛失した場合、ユーザー自ら遠隔コントロールにより端末の情報を消去する機能も用意

 対応システムは、インテル64およびAMD64に対応したプロセッサ搭載サーバー。対応OSは、Windows Server 2003 x64 Edition。

 価格は、Exchange Server Standard Editionが、13万5000円(Open Businessライセンス)、23万8000円(パッケージ版、5CAL付き)。Exchange Server Enterprise Editionが、76万9000円(Open Businessライセンス)、129万円(パッケージ版、25CAL付き)。


 また、今回の製品発表にあわせて、Exchange Server 2007の販売促進キャンペーン「Thank You No.1キャンペーン」のほか、ASP型サービス「Exchange Hosted Services」、技術者に対する教育プログラム「Exchange Academyプログラム」などの販売戦略も発表された。

 Thank You No.1キャンペーンでは、既存のExchange Serverからアップグレードするユーザーや、Notes/Dominoからの移行ユーザーに対して、先着順にウィルコムのW-ZERO3 [es]やx64サーバーを提供する。実施期間は、12月12日から2007年6月29日。

 Exchange Hosted Servicesは、ワールドワイドで提供されるExchange Server 2007を使ったホスティングサービス。Exchange Server 2007間でのメールの自動暗号化機能や、フィルタリングやアーカイブといったサービスが提供される。同社では、自社内にサーバーを設置できない中小企業などに対し、同サービスを提供する考え。また、Exchange Serverのホスティングサービスを提供するパートナーの拡充もあわせて行うとしている。

 Exchange Academyプログラムでは、特別セミナーやトレーニング、資格試験向け講習などを提供。これらのプログラムを通じで、Exchange Server 2007の導入を支えるITプロの養成を行う。

 これらの販売戦略により、「今後1年間でNotes/Dominoから100社30万シートの移行を目指す。また、Hosted Servicesの拡販、ホスティングパートナーの拡充によるソフトウェア+サービスの新たなビジネスモデルを構築する」(横井氏)と、Exchange Server 2007を軸に積極的に展開する姿勢を示した。



URL
  マイクロソフト株式会社
  http://www.microsoft.com/japan/
  プレスリリース
  http://www.microsoft.com/japan/presspass/detail.aspx?newsid=2913


( 福浦 一広 )
2006/12/12 16:54

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