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富士通、高速データ加工ツール「Interstage Data Effector」新版-並列処理に対応


ソフトウェア事業本部データマネジメント・ミドルウェア事業部 事業部長の今村浩一氏
 富士通株式会社は11月10日、CSV/XMLデータ加工ツール「Interstage Data Effector」の新版、「Interstage Data Effector 9.1」を発表した。Windows、Linux、Solarisの各OSに対応。同日よりLinux版とSolaris版の販売を開始する。Windows版に関しては、近日発売の予定。

 製品の背景について、同社ソフトウェア事業本部データマネジメント・ミドルウェア事業部 事業部長の今村浩一氏は、「富士通では、フィールドイノベーションを提案している。このフィールドイノベーションは、人とプロセスとITの継続的な改善により、企業に革新をもたらすもの。これを支えるITシステムは、人・プロセス・情報・IT資産を一体化して見える化することが重要。とはいえ、既存のIT資産を一気に置き換えるのはリスクが大きいので、SOA適用による全体最適化というアプローチが重要になる。今回発表したInterstage Data Effectorは、タイムリーな情報活用を実現する製品」と説明する。

 Interstage Data Effectorは、CSVやXMLなどのテキストデータを高速に仕分け・統合・集計するデータ加工ツール。特長は、一方向逐次処理による高速文字列照合アルゴリズムのSIGMA検索技術を用いた高速パターンマッチング。「オオノ」「オオキ」「オノデラ」などの人名を抽出条件として指定した場合、入力データの先頭が「オ」かそうでないかを1レコード単位で判定することで、データを一度読み込むだけで抽出できるというもの。マスター作成でもSIGMA検索技術を応用することで、一度に複数のマスターファイルの連結が可能。これにより、集計前にデータの並べ替えやマスターデータの作成といった作業を行うことなく、元データをそのまま利用して集計することができる。また、コマンドベースで操作できるため、システムにインストールするだけですぐに利用できるのも特長となっている。


処理対象のファイルは一度読み込むだけでデータ処理が完了 コマンドベースの操作を実現 データの項目を事前にそろえることなく利用可能

ソフトウェア事業本部データマネジメント・ミドルウェア事業部 プロジェクト部長の脇尾康司氏

新版の特長
 同社ソフトウェア事業本部データマネジメント・ミドルウェア事業部 プロジェクト部長の脇尾康司氏は、「大量データを加工する場合、時間が非常にかかってしまう。また、要件ごとにデータ加工処理のプログラム開発も発生する。そのほか、異なる業務データの項目の並びをそろえるなどの事前作業も発生している。こうした課題をInterstage Data Effectorを利用することで解決できる。1500万行、1.5GBのデータ処理の場合、従来手法では10時間かかるものを、Interstage Data Effectorを利用することで40分で完了する」と、高速処理が可能である点を強調した。

 最新版のInterstage Data Effector 9.1では、並列処理機能を追加することで、大量データの加工時間をさらに高速化している。「これまでは複数の入力ファイルを順次処理していたが、最新版では入力ファイルごとに処理が行えるようになっている。これにより、I/O処理と実処理を並列に行えるため、CPUを効率よく利用でき、業務処理時間を大幅に短縮できるようになった」(脇尾氏)としている。また、プログラムの入出力で利用するパイプに名前をつけることにも対応。これにより、抽出機能の複数仕分けに対応し、ストリーム処理のI/O高速化を実現するとしている。

 1プロセッサライセンスの価格は、200万円(税別)。今後3年間に、単体で2000ライセンスの販売を目標としている。




URL
  富士通株式会社
  http://jp.fujitsu.com/
  製品情報
  http://interstage.fujitsu.com/jp/dataeffector/


( 福浦 一広 )
2008/11/10 15:29

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