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代表取締役社長兼CEOの矢野広一氏
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構成イメージ
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ターボリナックス株式会社は3月11日、Windows/Linux相互のユーザー認証とICT資源を、Active Directory(AD)で統合管理するソフト製品「Linux Connector for Active Directory」を発表した。4月27日から販売開始する。
新製品は、WindowsとLinuxのユーザー管理を一元化し、1つのユーザーID・パスワードで認証を行うシングルサインオン(SSO)を実現するもの。2007年10月、米Microsoftとターボリナックスは、相互運用性の向上と知的財産の保証を含む包括的な協業契約を締結。Work Group Server Protocol Program(WSPP)評価ライセンス契約により、Microsoftから提供されたAD情報を基に開発され、共同動作検証の末に製品化に至った。
企業内システムにおいて、クライアント/サーバーが複数あるとユーザー管理の手間は煩雑なものとなる。ADなどのディレクトリサービスで統合するのが一般的だが、クライアントの中にWindows/Linuxが混在していると、Sambaを用いるなどの工夫が必要になる。しかし、「Sambaに関してはMicrosoftは明確な距離を置いており」(代表取締役社長兼CEOの矢野広一氏)、混在環境の統合管理の前には壁が立ちふさがる状況だった。今回のLinux Connector for ADでは、「Sambaに一切依存せず」(同氏)、両社が同じ方向性をとることでこの壁を乗り越えた。
使い方は、Linuxのクライアント/サーバー双方にLinux Connector for ADをインストールする形。PCやメールサーバー、ファイルサーバー、プリンタ、ネットワークなどさまざまなICT資源と、それらにアクセスする際のユーザー認証を、ユーザー属性(GID/UID)の違いを吸収した上でADに統合。Windows/Linuxのそれぞれの環境を意識せずに、SSOで各ICT資源を利用可能にする。
ユーザー認証には安全性の高い「Kerberos 5」を採用。認証した情報をキャッシュする仕組みも備え、ADに接続不可能な場合も継続運用できるようになっている。マルチドメイン環境にも対応しており、どれか1つをデフォルトドメインとして設定することも可能。そのほか、GNOMEなどのLinuxデスクトップ環境、Firefox・Thunderbirdの設定値をADで管理する機能も登載している。
対応OSは、Turbolinux 11 Server/Turbolinux Client 2008/Red Hat Enterprise Linux 5。今後はさらに種類を増やす予定。対応ADプラットフォームは、Windows Server 2003/2008。こちらもWindows 2000 Serverでの対応を予定する。
ラインアップは、単一のドメインに接続するLinux OS数に応じて2種類。価格は、クライアント/サーバー合わせてLinux OS×5つまで管理できる「Linux Connector for AD」が9万8000円/年。Linuxの数に制限のない「Linux Connector for AD Unlimited」が29万8000円/年。なお、マルチドメインの場合は、ドメイン数分だけ上記いずれかのライセンスが必要となる。
矢野氏は「Linuxの販売台数は年々増えていて、2012年にはWindowsに次ぐ2番手を占めることが見込まれている。こうした状況を見ると、Windows対Linuxの構図はもうユーザーの実情にそぐわない。今回のツールはアジア発で世界に価値を与えるものになったと自負している」とアピールした。
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管理コンソール画面
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ユーザープロパティ設定画面
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クライアント側のコンソール画面
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■ URL
ターボリナックス株式会社
http://www.turbolinux.co.jp/
ニュースリリース
http://www.turbolinux.co.jp/cgi-bin/newsrelease/index.cgi?date2=20090104113644&mode=syosai
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・ 米Microsoftとターボリナックス、相互運用性向上など包括的な協業契約(2007/10/23)
( 川島 弘之 )
2009/03/11 15:22
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