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執行役員 オラクルユニバーシティ本部長の保々雅世氏
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日本オラクル株式会社は8月31日、研修サービス部門「オラクルユニバーシティ」の2007年度における戦略を発表した。同社では、認定資格の取得者拡大のための施策を強化するほか、製品カットだけではなくソリューションカットでの講座を実施するなど、よりニーズにあったセミナーの提供を目指す。
現在日本オラクルでは、直接もしくはパートナーを通じて約150の研修コースを提供しており、年間でのべ1万人強がそれらのコースを受講しているという。そうした研修提供の成果もあってか、同社の認定資格である「ORACLE MASTER」の取得者は累計15万3000人、単年での同資格取得者も1万4200人の多数に及んでいる。
日本オラクルではこれをさらに拡大すべく、認定資格取得者を拡大するための施策を強化する。特にその中でも、最新製品であるOracle 10g研修の充実に力を注ぐ意向で、Oracle 10gの研修コースを現行の1.5倍にあたる60種類に拡大するほか、研修の開催数も現行の2割増し、3カ月で240コースに改める。また、営業向け速習コース、新入社員向け基礎コース、といったように、職種・技術レベルに応じた研修コースを充実させていくという。
執行役員 オラクルユニバーシティ本部長の保々雅世氏「研修、教育は地味な部分だが、エンジニアがいなくては、ライセンスを購入しても使うことはできない。製品の下支えをしっかりとしていく」と述べ、8000名のOracle Database 10g新規取得という目標をかかげた。
この中では、最上位の資格である「ORACLE MASTER Platinum」(以下、Platinum)の取得者拡大も目指す。トップエンジニアである同資格取得者によるコミュニティを3月に結成し、その活動を徐々に拡大するほか、取得支援策として、「Oracle Database 10g RAC構築と運用」セミナーを、12月まで半額で提供するキャンペーンを実施している。加えてPlatinum取得の前段階となるORACLE MASTER 10g Gold取得推進メニューも強化するという。日本オラクルでは、現在190名のPlatinum取得者を、3年間で500名まで拡大したい考え。「大企業で非常に複雑なシステムの中で仕事をする方が多いと思っているので、その中でエンジニアとしての価値を上げていくためには、最上位資格を増やすのが下の資格を増やすドライバにならないかと考えている」(保々氏)。
また、これまでは製品ごとの基礎、運用、応用コースといったように、製品カットでの研修が多く用意されていた。しかし、スキルセットをソリューション視点で考える必要性も生じていることから、「顧客のビジネスニーズに合った研修を、ライセンスとともに提供する。セキュリティでいえば1日の速習コースを作って、自分のビジネスですぐに知らなくてはいけないことを勉強できるようにする」(保々氏)とした。
さらに、製品販売のクロスライセンス契約を結んでいるオラクルインフォメーションシステムズ(旧日本ピープルソフト)との連携も強化。「同社製品を前提した日本オラクル製品、特にDatabaseやミドルウェア製品群のコースを立ち上げていきたい」(保々氏)と述べている。
現在、この事業を通じた売上高は、2006年度で19億7000万円あまりに達しているが、2007年度はこうした施策により、前年比1.2%増の20億円超を目指す。
■ URL
日本オラクル株式会社
http://www.oracle.co.jp/
( 石井 一志 )
2006/08/31 16:43
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