東芝ソリューション、300枚/分の読み取りが可能なハイエンドOCRシステム


OCR2000iモデル10000(ソータオプション7台連結時)

 東芝ソリューション株式会社は4月20日、ハイエンドOCRシステム「OCR2000iモデル10000」を発表した。

 同製品は、同社の「紙送り技術」「画像処理技術」「文字認識技術」を結集したOCRシステムのハイエンドモデル。新開発の高速OCRスキャナ「S10000」と認識ソフトで構成。特徴は、同社が「国内最高速クラス」とする読み取りの速さだ。

 高速CCDの採用と高速画像処理回路の開発により、300枚/分(A4横、手書き数字30字×10行の場合)のOCR読み取りを実現した。さらに、読み取りを中断することなく帳票を追加できる「帳票継ぎ足し機構」、紙の傾きを機械的に補正して紙詰まりを抑える「スキュー・アライニング機構」、紙詰まり時の復旧作業を軽減する「エアー吸着ベルト搬送機構」を開発し、スループット(単位時間あたりの業務処理量)を向上している。

 上質紙や再生紙、ノーカーボン紙などの薄紙からハガキなどの厚紙、名刺サイズからA3サイズまで、さまざまな紙質やサイズの帳票が読み取り可能。さらに、紙の高速・安定給紙を実現する「多段分離給紙機構」や、紙の二重送りを高精度に検知するため複数搭載された「超音波センサ」などにより、多種多様な帳票が混在していても読み取ることが可能という。

 紙の先端をそろえて集積する「羽根車集積機構」を備えた「ソータ」も開発。省スペース設計であるため、限られた設置場所でも、ソータを複数台連結した大規模な帳票仕分けが可能という。

 価格は、本体が2787万7500円から、ソータオプションが1059万4500円から。併せて、同製品の効率運用を支援する「OCR運用サポートサービス」も提供する。読み取り性能診断と改善提案、取扱い帳票に合わせた辞書カスタマイズ、予防保守や遠隔監視など、ユーザーに合わせたサポートを行うという。東芝ソリューションでは、金融機関での税金・公共料金の収納処理、カード会社や保険会社での申込処理、流通業での伝票処理など、大規模・集中型のデータ入力業務に向けて提案活動を行う方針。


(川島 弘之)

2009/4/20 18:41